2023-04-01から1ヶ月間の記事一覧
この記事では補助定理の1つである命題4.16 $G_q^2=q^{\ast}$ を証明します。そのためにまず、補題4.17 を示します。 補題4.17$a$を整数、$\mu \neq 1$を$1$の$n$乗根とするとき、$$\sum_{k=1}^{n-1}{\mu^{a\,k}}= \begin{cases}n-1 & (a \equiv 0\,(mod\,n)…
いよいよ山本先生の本数論入門 (現代数学への入門)による相互法則の証明を見ていきます。有限体$F_p$におけるフロべニウス写像とガウス和を用いた証明です。今回はいくつかの補助定理を紹介し、それらを使った相互法則の証明を紹介します。それぞれの補助定…
今回はいきなり第2補充則の証明から行きます。前回の記事 では第2補充則において$\sqrt{2}^p$の指数の$p$が変化するとそれに伴って平方剰余記号の値$\left(\frac{2}{p}\right)$が周期$8$で変化することを観察しました。 今回は山本先生の数論入門 (現代数…
以下の式は$F_p$のフロべニウス写像によって$a$がいつ平方剰余になるのかを特徴づけているとも見えます。 $$\sqrt{a}^p=\left(\frac{a}{p}\right)\,\sqrt{a}\tag{A}$$ それが前回の記事の最後のステートメントでした。それらを再掲します。 「このことから第…
ちょっとだけおさらいから入りましょう。 $p$を素数、$F_p$を 位数$p$の有限体とします。$F_p$の$0$以外の元の集合$F_p^{\times}$は位数$p-1$の巡回群になります。そうするとフェルマーの定理から任意の$x\in F_p$について$x^{p-1}=1$が分かります。両辺に$x…
いよいよこのシリーズも核心に入っていきます。今回は平方剰余の定義を与え、平方剰余記号を定義します。また平方剰余の基本的な性質を示した後、平方剰余の相互法則と関連する補充則などを紹介し、簡単なものには証明をつけます。最後に平方剰余の相互法則…
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駆け足で有限体を復習しましょう。 定義 有限体\(F_p\) 整数をある素数\(p\)で割った余りの集合\(\{0,1,\cdots,p-1\}\)には整数の加算や乗算の結果を\(p\)で割った余りとして自然に加算、乗算が定義でき、それらの単位元は\(0,1\)です。また全ての元に対して…
小島寛之先生のブログ記事 で山本芳彦先生の著書「数論入門」 数論入門 (現代数学への入門) 作者:山本 芳彦 岩波書店 Amazon が絶賛されていました。その中で印象に残ったのが、有限体を使った平方剰余の相互法則の証明が秀逸、という点でした。 山本先生の…