以前の記事で紹介した、macOSで動作する仮想マシン環境ソフトUTMをM1 iMacで本格的に使おうと思い、その前にいくつか不満点を解消しました。 maxima.hatenablog.jp 以下は不満だった点のリストです。これら全て一応解消できました。 ホストに物理接続してい…
ラマヌジャンの\(\frac{1}{\pi}\)公式に関する論文や記事を読んでいるとしばしば以下の公式に出会います。 $$_{2}F_1\left(\frac12,\frac12;1;x\right)^2= {}_3F_2\left(\frac12,\frac12,\frac12;1,1;4\,x\,(1-x)\right)$$ 大抵クローゼンの公式の特殊な場合…
上記2つの記事で超幾何関数に関するクローゼンの公式を証明しました。それはこんな式でした。 $$_{2}F_1\left(a,b;a+b+\frac12;x\right)^2= {}_3F_2\left(2\,a,2\,b,a+b;2\,a+2\,b,a+b+\frac12;x\right)$$ しかし、ラマヌジャンの\(\frac{1}{\pi}\)に関する…
ではガウス超幾何関数と一般超幾何関数の間の公式 $$_{2}F_1\left(a,b;a+b+\frac12;x\right)^2= {}_3F_2\left(2\,a,2\,b,a+b;2\,a+2\,b,a+b+\frac12;x\right)$$ の証明の主要な部分を行いました。方針としては左辺も右辺も同じ3階の微分方程式を満たすこと…
トーマスクローゼンは1828年に雑誌クレレに発表した論文で、ガウス超幾何関数\({}_2F_1(a,b;c;x)\)の2乗が一般超幾何関数\({}_3F_2(a,b,c;d,e;x)\)と等しくなるための条件を求めました。その結果次の式が成り立つことを証明しました。 $$_{2}F_1\left(a,b;a…
2022年3月15日、ドイツの連邦情報セキュリティ庁(BSI)がカスペルスキーのウィルス対策ソフトを脅威と見なして、利用組織に対して代替品への置き換えを推奨する文書を公表しました。下記がそのページへのリンクです*1。 www.bsi.bund.de ロシアの企業がドイツ…
window.addEventListener('message', function(e) { var iframe = document.getElementById("tako"); var eventName = e.data[0]; var data = e.data[1]; switch(eventName) { case 'setHeight': console.log(data); iframe.style.height = data + "px"; bre…
超幾何関数は特定の微分方程式(超幾何微分方程式と呼ばれています)を満たすことが知られています。今回はパラメータを3つ持つガウスの超幾何関数\(_{2}F_{1}(a,b;c;x)=\sum_{n=0}^{\infty}\frac{(a)_n\,(b)_n}{(c)_n}\,\frac{z^n}{n!}\)が超幾何微分方程…
CISSP CBKを購入して、CISSP受験の際にした勉強を復習しています。当時はOfficial Study Guideという本やYoutube videoなども使って勉強していました。その頃に疑問に思ったこと、今回購入したCBKを読んで初めて知ったことなどを紹介していきます。 The Offi…
CISSPを勉強するとき、いくつか出ているスタディガイドを買って勉強するのが普通だと思います。一方、スタディガイドではなくCISSPの知識の範囲を資格団体である\((ISC)^2\)がまとめた資料も出版されています。この知識の範囲のことをCommon Body of Knowled…
UTMなどを使えばmacOSを仮想環境のゲストOSとして使用することができます。前の記事で紹介したように仮想環境の作成手順の中で非常にスムーズにmacOSのダウンロードが行われて、インストールまで一連の手順になっています。 ところでこのような使い方をする…
目次 M1 Mac向けの仮想環境 UTMとは? UTMでのmacOS Monterey仮想化の手順 現状でのUTMの不具合 M1 Mac向けの仮想環境 M1チップ(通称Apple Silicon)を使用したMacでも開発に必要な環境がかなり整ってきました。私のiMacでもhomebrewパッケージマネージャに…
今回は一体「超幾何関数とテータ関数の恒等式」シリーズは何だったのかという説明です。昨年11月ごろに超幾何関数の勉強の記事を数本書いた後、楕円積分と超幾何関数の関係の記事を書きました。その後、流れでこのシリーズを始めました。本来動機や背景を最…
window.addEventListener('message', function(e) { var iframe = document.getElementById("tako"); var eventName = e.data[0]; var data = e.data[1]; switch(eventName) { case 'setHeight': console.log(data); iframe.style.height = data + "px"; bre…
window.addEventListener('message', function(e) { var iframe = document.getElementById("tako"); var eventName = e.data[0]; var data = e.data[1]; switch(eventName) { case 'setHeight': console.log(data); iframe.style.height = data + "px"; bre…
今回もこの本の第5章がテキストです。 Number Theory in the Spirit of Ramanujan (Student Mathematical Library) 作者:Berndt, Bruce C. Amer Mathematical Society Amazon Lemma 5.2.6の5.2.6の証明を見て行きます。超幾何関数とテータ関数の4乗の間に成…
前回の記事では大変美しい式: $$ F\left(1-\frac{\varphi\left(-q\right)^4}{\varphi\left(q\right)^4}\right)=q $$ を証明しました。 \(q\)に適当な数値を入れて左辺を計算すると結果としてその\(q\)が出力されるということです。テータ関数と超幾何関数が…
今回もこの本より、 Number Theory in the Spirit of Ramanujan (Student Mathematical Library) 作者:Berndt, Bruce C. Amer Mathematical Society Amazon 第5章の定理5.2.5の証明を読んでいきます。 今回は、Lemma 5.1.10, Corollary 5.2.4, テータ関数の…
追記:forums.macrumors.comではmacOS 12.2でこの問題は解決された、とされています。うちのM1 iMac にも12.2が降ってきたのでインストールしてTime Machineの除外リストを削除してバックアップを実行したところ無事に終了しました。 の記事でM1 iMacが我が…
新しいM1 iMacにmaxima-jupyterをインストールしました。とても快適に動いています。 この記事にインストール手順と注意点を書きます。 maxima-jupyterのインストール手順 homebrewをインストール homebrewでjupyterlab, maximaをインストール% brew install…
超幾何関数の話と並行して、普段使いのiMacをリプレースしました。新しいiMacはもちろんM1 iMacです。 私にとっては新しいiMacですが、実はアップルの整備済製品です。 www.apple.com 16GB/1TB/8core/7gpuというちょっと変わった仕様です。メモリと内蔵SSDを…
Number Theory in the Spirit of Ramanujan (Student Mathematical Library) 作者:Berndt, Bruce C. Amer Mathematical Society Amazon 今回は本書第5章のLemma 5.2.4の証明を見て行くことにします。 本に載っている証明は必要最低限の式変形が提示されてい…
明けましておめでとうございます。今年もMaximaを使った数学の記事を書いていきますので、よろしくお願いします。 早速ですがいつもの参考図書の第5章 Lemma 5.2.3とその証明を見ていきます。 Number Theory in the Spirit of Ramanujan (Student Mathematic…
いつもの本 Number Theory in the Spirit of Ramanujan (Student Mathematical Library) 作者:Berndt, Bruce C. Amer Mathematical Society Amazon のChapter 5, Lemma 5.2.2を読んでいきます。 Lemma 5.2.2 \(x\)を、\(0 \lt x \lt 1\)の時に次の式を満たす…
この本の第5章のLemma 5.2.1まで証明を見て来ました。ここまではほぼ超幾何関数の議論だけで済んだのですが、ここから先はラマヌジャンのテータ関数の知識が必要になります。 そのための必要最小限の定義とこの先に必要な等式をここで述べておきます。証明は…
今回も下記の本の第5章からCorollary 5.2.1の証明を見ていきます。 Number Theory in the Spirit of Ramanujan (Student Mathematical Library) 作者:Berndt, Bruce C. Amer Mathematical Society Amazon
Number Theory in the Spirit of Ramanujan (Student Mathematical Library) 作者:Berndt, Bruce C. Amer Mathematical Society Amazon この本のChapter 5よりLemma 5.1.10が今回のお題です。 Lemma 5.1.10. \(x\rightarrow 0^{+}\)の時、 $$\pi\,F(\frac{1}…
この本のChapter 5からCorollary 5.1.7を見てみます。 Number Theory in the Spirit of Ramanujan (Student Mathematical Library) 作者:Berndt, Bruce C. Amer Mathematical Society Amazon
超幾何関数とテータ関数の関係式: $$\varphi^2(q)=F(\frac{1}{2},\frac{1}{2};1,x)$$ というものを理解したく、色々と調べていると実は買って積んであった手元の本に証明が載っていることを発見しました。 Number Theory in the Spirit of Ramanujan (Stude…
前回の記事では超幾何関数を使って様々な初等関数を表すことができました。今回は楕円積分が超幾何関数である、ということを説明します。 楕円積分にはいくつかの種類があり、今回扱うのは第1種完全楕円積分と呼ばれるもので、以下の式で表されます。 $$ \i…