Maxima で綴る数学の旅

紙と鉛筆の代わりに、数式処理システムMaxima / Macsyma を使って、数学を楽しみましょう

数学

-数学- Youtubeビデオ 圏論勉強会で学んだこと(1)

2013年 盆踊り(当時は三密OK!) ノートを取ると理解が定着しそうなこと、しばらく経って忘れた頃、見直す何かがあると便利だと思い、勉強ノートを書きます。 可換図式はmathjaxのxyjax (latexのxypicを移植したもの)で書きました。別記事でこの設定について…

-数学- youtubeビデオで勉強「圏論勉強会」

Youtubeのビデオを見ればよく知らない数学の分野が少しでも分かるようになるのでしょうか。ちゃんとしたビデオはそれなりの長さ(1時間とか2時間とか)があり、見るのも大変です。 まあでもやってみようかと思い立ち、 「圏論勉強会」 というビデオシリーズ…

-数学- リュカ多項式の性質 (2)

リュカ多項式に関する性質をさらに証明していきます。前回の記事でリュカ多項式とお友達になった皆さんには是非読んでいただきたいです。 引き続き参考文献は、Matt Baker教授のブログ記事: です。教授の記事でタイポのようなものに気がつき、コメントした…

-数学- リュカ多項式の性質 (1)

この記事のコードをJupyter notebook形式で見るにはこちら。 リュカ多項式の様々な性質については「数学的帰納法で証明できる」で済ませてきました。リュカ多項式とお友達になるには、この記事で証明を確認してください。この記事の証明はMatt Baker 教授の…

-数学- 終結式、平方剰余の相互法則、リュカ多項式 (2)

この記事のコードをJupyter notebook形式で見るにはこちら。 引き続きジョージア工科大学のMatt Baker教授のブログから、リュカ多項式による平方剰余の相互法則の証明を説明します。 前回(1)では終結式について解説しました。終結式の性質として以下の4つを…

-数学- 終結式、平方剰余の相互法則、リュカ多項式 (1)

この記事のコードをJupyter notebook形式で見るにはこちら。 数学者が運営している数学ブログを見つけては読んでいます。そんな中、とても面白い記事を見つけました。 ジョージア工科大学数学科のMatt Baker教授のブログの記事で、「リュカ多項式を使った平…

-数学- 分数の足し算の約分とp進展開とpadicsパッケージ

この記事のコードをJupyter notebook形式で見るにはこちら。 tsujimotterさんのブログ記事は難しいやつは読みきれないものも多いのですが、Maximaで計算してみて、記事にさせていただくこともあり、いつも楽しみにしています。そんな中、分数の和で約分が生…

-数学- 自然数の平方根の和の漸近近似 - オイラーマクローリン総和公式の応用

この記事のコードをJupyter notebook形式で見るにはこちら。 オイラーマクローリン総和公式の応用をもう一つだけ。 \( \sum_{n=1}^{N}{\sqrt{n}} \) をほぼ正確に近似する公式を求めてみます。この総和は、ゼータ関数をs=-1/2を含む範囲まで解析接続した時の…

-数学- 周期的ベルヌーイ多項式を含む広義積分の評価

この記事のコードをJupyter notebook形式で見るにはこちら。 周期的ベルヌーイ多項式はベルヌーイ多項式の区間[0,1]を繋いだものです。その区間には必ず最大、最小があります。従って周期的ベルヌーイ多項式の絶対値は適当な正の定数Cで抑えられます。このこ…

-数学-オイラー探検 オイラーマクローリン公式を使ったゼータ関数の解析接続

この記事のコードをJupyter notebook形式で見るにはこちら。 オイラーマクローリンの総和公式は色々な使い方ができることでも有名です。級数の数値計算は典型的な使い方ですが、ゼータ関数の定義域(通常の定義では\(s\gt1\))を広げることにも使えます(いわ…

-数学-オイラーマクローリン総和公式パッケージの応用:オイラーマスケローニ定数

この記事のコードをJupyter notebook形式で見るにはこちら。 せっかく作ったオイラーマクローリン総和公式パッケージを使って、具体的な応用を一つ。同じオイラーが考えたオイラーマスケローニ定数を数値的に求めてみます。(Maximaには%gammaという定数とし…

-数学- オイラー・マクローリン総和公式パッケージ

Maxima-asdfの面白いところは、じぶんで何かMaximaのプログラムを作ったら、簡単にGithubで公開して、世の中に貢献できることです。 と言うわけで一つ作ったのが、オイラー・マクローリン総和パッケージです。 GitHub - YasuakiHonda/euler-maclaurin-sum: S…

-数学- オイラー探検 第12峰 五角数定理(と約数和の漸化式)-証明-

前回の記事: では五角数定理の係数と約数和関数の漸化式の間の不思議な関係について、現象論的に紹介しました。これは黒川先生の本(上記記事で紹介)の最後の方に載っているお話です。 (%i1) :lisp (progn (ql:quickload :drakma)(ql:quickload :maxima-as…

-数学- オイラー探検 第12峰 五角数定理(と約数和の漸化式)

この本、Maximaで試しやすい話題が多く、とても気に入っています。 オイラー探検-無限大の滝と12連峰 (シュプリンガー数学リーディングス) 作者:黒川 信重 発売日: 2007/10/03 メディア: 単行本 久しぶりに読み返してみて、オイラーの五角数定理の係数と約数…

-数学- ゴスパーさんとMaxima

100ft maxima.hatenablog.jp 上記の記事で、円周率\(\pi\)の多桁計算の世界記録について触れました。そこで登場したBill Gosper、数学者兼ハッカーとして紹介されていました。この人の名前、数式処理に興味のある方ならきっと知っている、あの「ゴスパーのア…

-数学- ラマヌジャンと1/πについて

コロナ対策の一環で3月初旬から在宅勤務をしています。今は世の中に貢献できることが、「家にいて病気にならないこと」、だけなので、それを実践しています。医療関係の方々のみならず、社会インフラを動かすために出勤される皆様には敬意を表します。 平日…

-数学- p進数入門 ヴィットの公式の証明(2) 冪乗和の公式への補題の適用

ヴィットの公式とは、極限をp進収束で考えたときに、 $$\notag \lim_{N\rightarrow \infty }{\frac{\sum_{k=1}^{p^{N}}{k^{m}}}{p^{N}}}=B_{m} $$ でした。そして前回、ちょっとした補題を証明しました。それがこちらです。 $$ \notag \lim_{N\rightarrow \i…

-数学- p進数入門 ヴィットの公式の証明(1) 補題とその証明

ヴィットの公式、折角なので証明したいと思います。 参照させて頂いている青木先生の著書 p進ゼータ関数 久保田-レオポルドから岩澤理論へ (シリーズ「ゼータの現在」) 作者:青木 美穂 出版社/メーカー: 日本評論社 発売日: 2019/02/22 メディア: 単行本 に…

-数学- p進数入門 ベルヌーイ数とヴィットの公式

実は、このp進数に関する一連のシリーズの目標は、ヴィットの公式を示すことに置いていました。ヴィットの公式とは以下の式です。ただし極限はp進距離(差のp進絶対値)で考えます。左辺\(B_k\)はk番目のベルヌーイ数です。 $$ \notag B_{k}=\lim_{N\rightarro…

-数学- p進数入門 非アルキメデス的絶対値

p進数の絶対値や距離が「非アルキメデス的」とよく言われます。これって何のことなのでしょうか。 非アルキメデス的絶対値の定義や性質は、 p進ゼータ関数 久保田-レオポルドから岩澤理論へ (シリーズ「ゼータの現在」) 作者:青木 美穂 出版社/メーカー: 日…

-数学- p進数入門 積公式

0でない任意の整数(実際には有理数でも成り立つ)xについて、xの絶対値とxの全てのp進絶対値(pはすべての素数にわたる)を掛け合わすと1になる、という美しい式が成り立ちます。 $$ \left| x\right| \,\prod_{p}\left| x \right|_{p}=1$$ この式の左辺を特定…

-数学- p進数入門 p進距離と級数の収束の続き

あけましておめでとうございます。本年もよろしくお願いいたします。 前回の記事で、等比級数の無限和の公式が、比が素数の場合にもp進距離に基づく収束で成り立つことが数値計算で実感できました。では証明はどのようにすれば良いのでしょうか。 証明したい…

-数学- p進数入門 p進距離と級数の収束

絶対値が定義できると、差の絶対値として距離を定義できます。その事情はp進の世界でも同じです。2つの有理数の差がpでよく割り切れれば、つまり差のp進絶対値が小さければ、この2つの数を「近い」とみなします。 (%i1) texput(nounify(padic_norm), lambda…

-数学- p進数入門 有理数のp進絶対値の定義と計算, padicsパッケージ

p進数、p進附値、p進絶対値、p進L関数、、、など数論の世界には実数とは違ったp進の世界があり、その数の理論を使って数学の様々な定理が証明されている、と書物には書いてあります。 そうは言っても、Maximaにはp進数を扱えるようなパッケージはないし、普…

-数学- sin(n*%pi/11)^2を解に持つ5次方程式を解く

Saito munetakaさんから頂いたコメントの中である5次方程式を解いてみてほしいとのご依頼がありました。早速やってみたところサクッと解けたので記事してみます。ただし、ここで求めた解が\( \left(\sin{\frac{n\,\pi}{11}}\right)^{2} \)に一致することを…

-数学- GaloisGroupSolverをGithubに公開しました

3連休の間に1日かけてGithubにレポジトリを作り、関連するファイルをアップロードして公開しました。まず、パッケージのダウンロード方法ですが、ここからダウンロードできます。 ちなみにパッケージの名前としてSolveSolvableで行こうかと思ったのですが、…

-数学- ガロア群を使って多項式の根を求める際の注意事項

ガロア群を使って多項式の根を求める計算をまとめると、与えられた多項式のガロア群が可解群の場合、ガロア群の縮小に対応して係数体を冪根拡大させることが出来ます。その際にVの最小多項式を拡大体で因数分解することできます。単位群まで縮小させた場合、…

-数学- 5次方程式を高速に解く。6次方程式も解けた!

2引数のfactor()関数を使って各解を原子元Vで表す計算を行うgal_sol_V4()を組み込んだパッケージを作成しました。こちらからダウンロードできます。 このパッケージを読み込んで、5次方程式を解くと、6.38秒で 解くことができました。 ちなみに、冪根では…

-数学- 可解な方程式を冪根で解く -解ける5次多項式の根も高速に求められる!!-

可解な多項式の根を求めるプログラムを提示してきましたが、このプログラムでの5次方程式の解の計算の計算時間的なボトルネックは、原子元Vで多項式の根を表す部分にありました。 ガロアが考えた方法をほぼそのまま実装した場合、5次方程式の場合で、数時間…

-数学- 可解な方程式を冪根で解く -まとめとリリース-

多項式のガロア群を、多項式を解くことなく求めたい、ということに端を発して、最終的には、次数には関係なく可解な多項式を解くプログラムを完成するところまで、辿り着くことができました(実際には5次方程式までしか解けていませんが)。 このプログラムも…