数学
今回のシリーズは楕円モジュラー関数/j不変量\(j(t)\)の虚2次無理数での値を厳密に計算できることを知り、Maximaで実装してみた、ということでした。 各回の実行例は、以下のurlからjupyter notebookの形式で見ることもできますし、こちらのgithubレポジト…
この記事のコードをJupyter notebook形式で見るにはこちら。 このシリーズの目標は楕円モジュラー関数/j不変量の虚2次無理数での値を正確に求めることでした。そのために前回の記事: maxima.hatenablog.jp ではヒルベルト類多項式を求めました。\(j(t)\)は…
この記事のコードをJupyter notebook形式で見るにはこちら。 共通の判別式\(D\)を持つ簡約虚2次無理数を全て求めることが出来れば、ヒルベルト類多項式を求めるのはあと一歩です。まずヒルベルト類多項式の定義を見てみましょう。 $$P_{D}(x)=\prod_{i=1}^{…
この記事のコードをJupyter notebook形式で見るにはこちら。 数年前に虚2次無理数、判別式、モジュラー変換、基本領域などの記事を書きました。 この続きのような内容になります。またInFD(), FindInFD()は当時作った関数達です。 当時分からなかったのは、…
この記事のコードをJupyter notebook形式で見るにはこちら。 楕円モジュラー関数のAPIをまとめてgithubに公開しました。 以下(%i1),(%i2)はmaxima-asdfという便利な道具を使ってgithubからダイレクトにダウンロード、ロードして実行する実行例になっています…
2017年ごろ、このブログで楕円関数や楕円曲線、ワイエルストラスのペー関数、アイゼンシュタイン級数などの記事を書きました。その際、以下のような文章も書いたのですが、結局投稿せずにお蔵入りとしました。 楕円曲線やモジュラリティ定理の話を勉強してい…
泡のカフェオレ コンピュータを使って数学を少しでも楽にやれる手段として、、定理証明支援系(定理の証明を支援してくれるソフトウェア)を使って、定理の証明を確実に行なったり、部分的に証明を自動化することが挙げられます。 このブログで紹介している…
この記事のコードをJupyter notebook形式で見るにはこちら。 リーマンの明示公式を構成する\(J(x)\)関数の第1項を簡素化した次の式を使ってゼータの非自明零点を足し合わせると、素数のピークが現れること、この式がvon Mangoldt関数と呼ばれるある数論的関…
この記事のコードをJupyter notebook形式で見るにはこちら。 素数個数関数に対するリーマンの明示公式で使用した\(J(x)\)関数の第1項が素数の位置を正確に知っている、というお話しをしました。この項がゼータ関数の非自明零点からの貢献になっています。た…
この記事のコードをJupyter notebook形式で見るにはこちら。 素数個数関数に対するリーマンの明示公式を再掲します。 $$ J\left(x\right)=-\sum_{i=1}^{\infty }{\left({\it li}\left(x^{\rho_{i}^\star}\right)+{\it li}\left(x^{\rho_{i}}\right)\right)}+…
(サバのトマト缶パスタ) このシリーズでは素数個数関数に関するリーマンの明示公式をMaximaで計算して、そのグラフをお見せしたいと思います。 \(x\)を正の実数として、\(x\)以下の素数の個数を表す関数を\(\pi(x)\)と書くことにします。例えば\(\pi(10)=4…
最終回である第13回の圏論勉強会ビデオです。 なんとか随伴まで辿りつけたことは非常に嬉しいことです。 第13回圏論勉強会@ワークスアプリケーションズ その1 随伴の定義も第1回に出てきたのですが、資料の定義を見てもHom集合には言及せずに書いてあり、解…
第12回圏論勉強会@ワークスアプリケーションズ その1 米田の補題の理解に向けて、反変函手、反変Hom函手を復習します。 反変函手とは圏\(\mathcal{C}\)から\(\mathcal{D}\)への対応\(F\)で、任意の\(\mathcal{C}\)の対象\(A, B\)と射\(f:A\rightarrow B\)に…
第12回圏論勉強会@ワークスアプリケーションズ その1 第12回 自然変換と米田の補題 関手と関手の間の自然変換 関手\(F, G:\mathcal{C}\rightarrow \mathcal{D}\)の間の自然変換\(\theta\)とは\(\theta_X:F(X)\rightarrow G(X)\)の集合で、任意の\(\mathcal{C…
第11回 指数対象 デカルト閉圏 第11回圏論勉強会@ワークスアプリケーションズ その1 指数対象 指数対象\(B^A\)とは対象間の射の集合の一般化。\(\mathcal{Sets}\)では\(B^A=Hom_{\mathcal{Sets}}(A,B)\)。ただしHom集合では内部構造を使った定義であり、射の…
第7回 様々な極限 代数的データ型 第7回圏論勉強会@ワークスアプリケーションズ 復習で少しびびります。ここは図式なしで。 空圏の極限は終対象。空圏の余極限は始対象。 2つ以上の対象からなる離散圏の極限は直積。余極限は直和。 1つの対象からなる圏の極…
第6回 積 余積 極限 第6回圏論勉強会@ワークスアプリケーションズ 終対象: その対象に対して、すべての対象から向かう射が唯一存在すること。 同型を除いて一つに定まる。証明:2つの終対象A, Bがある場合、定義より以下の図式が成り立つ。 $$\xymatrix{ A \…
圏論勉強会のYouTubeビデオで圏論をかじっているのですが、並行して、たまたま、以下の記事が目につきました。 陰関数の不等式(等式)が図形を描く時、2つ以上の陰関数のmaxやminの不等式(や等式)で図形の共通部分や合併、境界を書くことができる、という…
16年前 こちらのビデオの勉強ノートです。 圏論勉強会 第4回 第4回 Hom集合 Hom集合は圏Cの2つの対象の間の射の集合Hom_c(A,B)。 1を要素1つの集合とすると、Hom_sets(1, A)とAは同型。 Hom(1,A)の要素数とAの要素数は同じ。この仕組みで対象の中が射として…
2013年 盆踊り(当時は三密OK!) ノートを取ると理解が定着しそうなこと、しばらく経って忘れた頃、見直す何かがあると便利だと思い、勉強ノートを書きます。 可換図式はmathjaxのxyjax (latexのxypicを移植したもの)で書きました。別記事でこの設定について…
Youtubeのビデオを見ればよく知らない数学の分野が少しでも分かるようになるのでしょうか。ちゃんとしたビデオはそれなりの長さ(1時間とか2時間とか)があり、見るのも大変です。 まあでもやってみようかと思い立ち、 「圏論勉強会」 というビデオシリーズ…
リュカ多項式に関する性質をさらに証明していきます。前回の記事でリュカ多項式とお友達になった皆さんには是非読んでいただきたいです。 引き続き参考文献は、Matt Baker教授のブログ記事: です。教授の記事でタイポのようなものに気がつき、コメントした…
この記事のコードをJupyter notebook形式で見るにはこちら。 リュカ多項式の様々な性質については「数学的帰納法で証明できる」で済ませてきました。リュカ多項式とお友達になるには、この記事で証明を確認してください。この記事の証明はMatt Baker 教授の…
この記事のコードをJupyter notebook形式で見るにはこちら。 引き続きジョージア工科大学のMatt Baker教授のブログから、リュカ多項式による平方剰余の相互法則の証明を説明します。 前回(1)では終結式について解説しました。終結式の性質として以下の4つを…
この記事のコードをJupyter notebook形式で見るにはこちら。 数学者が運営している数学ブログを見つけては読んでいます。そんな中、とても面白い記事を見つけました。 ジョージア工科大学数学科のMatt Baker教授のブログの記事で、「リュカ多項式を使った平…
この記事のコードをJupyter notebook形式で見るにはこちら。 tsujimotterさんのブログ記事は難しいやつは読みきれないものも多いのですが、Maximaで計算してみて、記事にさせていただくこともあり、いつも楽しみにしています。そんな中、分数の和で約分が生…
この記事のコードをJupyter notebook形式で見るにはこちら。 オイラーマクローリン総和公式の応用をもう一つだけ。 \( \sum_{n=1}^{N}{\sqrt{n}} \) をほぼ正確に近似する公式を求めてみます。この総和は、ゼータ関数をs=-1/2を含む範囲まで解析接続した時の…
この記事のコードをJupyter notebook形式で見るにはこちら。 周期的ベルヌーイ多項式はベルヌーイ多項式の区間[0,1]を繋いだものです。その区間には必ず最大、最小があります。従って周期的ベルヌーイ多項式の絶対値は適当な正の定数Cで抑えられます。このこ…
この記事のコードをJupyter notebook形式で見るにはこちら。 オイラーマクローリンの総和公式は色々な使い方ができることでも有名です。級数の数値計算は典型的な使い方ですが、ゼータ関数の定義域(通常の定義では\(s\gt1\))を広げることにも使えます(いわ…
この記事のコードをJupyter notebook形式で見るにはこちら。 せっかく作ったオイラーマクローリン総和公式パッケージを使って、具体的な応用を一つ。同じオイラーが考えたオイラーマスケローニ定数を数値的に求めてみます。(Maximaには%gammaという定数とし…