Maxima入門
対称式を基本対称式の多項式で表す、というのはよくあることで、maximaでもそのような計算をするためのパッケージsymがあります。 symパッケージを使って対称式をMaximaで取り扱う方法については以前に以下の記事で書きました。 上記の記事の例でもそうなの…
これから引続くいくつかの記事では主に1変数有理係数方程式を扱う予定です。 今回は二つの有理係数の多項式p(x)とf(x)が与えられた時、f(x)のmod p(x)での逆元g(x)を求めます。f(x)の逆元g(x)とは、f(x)*g(x)=1 (mod p(x))となるような有理係数の多項式g(x)…
ディスクキャッチ! ラマヌジャンζの衝撃 (双書―大数学者の数学) 作者:黒川 信重 出版社/メーカー: 現代数学社 発売日: 2015/08 メディア: 単行本 黒川教授の上記の本を読んでいて、以下の式が出てきました。 $$ \notag \sum_{n=1}^{\infty }{\frac{\sigma_{…
波飛沫に霞む -数学- ゼータ関数の非自明零点と行列の固有値(その1)エルミート行列の固有値を求める - Maxima で綴る数学の旅および(その2)ではグラフ描画のためのdrawパッケージ以外にもdistrib, descriptive, lapackというパッケージを読み込んで使…
-Maxima入門- コマンドラインで数を扱う - Maxima で綴る数学の旅Maximaでは式を書いて、セミコロンをつけて、改行(wxMaximaではshift-改行)すれば、計算が実行されて、結果が表示されます、ということを2年前の記事で書きました。 そしてその次の記事では…
グラフ理論パッケージと行列関連の機能を使うと、色々とグラフの性質を計算できるそうです。特に行列の固有値から色々な性質がわかる理論があり、「スペクトルグラフ理論」と呼ばれているようです。 なんだか響きもカッコイイですよね。「スペクトルグラフ理…
ハナミズキグラフ理論パッケージの使い方の続きです。今回は行列、特にトレースを計算するmattrace()関数を使うので、準備としてnchrplパッケージも読み込んでおきます。 (%i1) load(graphs)$ (%i2) load(nchrpl)$次にグラフを生成します。今回はランダムに…
ご機嫌 普段あまり使わないパッケージを触ってみるのも楽しいです。という訳で今回はグラフ理論パッケージgraphsの紹介です。グラフとありますが、x軸とy軸がある関数のグラフではなく、頂点と辺からなるグラフの方です。 まずはパッケージを読み込みます。…
Maximaには不思議なパッケージが色々とあります。前回は対称式を扱うsymパッケージの中のelem()関数を紹介しました。 今回はそれよりも不思議さ3倍の、謎のパッケージasympaの紹介です。 マニュアルの40. asympaを見た方は知っていると思いますが、ほとんど…
対称式(対称多項式)とは幾つかの変数からなる多項式で、それらの変数をどのように入れ替えても元の式に戻る、という性質を持ったものを指します。 \( x^2 + y^2 \)は2変数の対称式の例です。 高校数学でもよく知られているように任意の対称式は基本対称式…
ミラコスタ、ロビー // 定積分を求めるためにもintegrate()関数を使います。ただし引数として上限と下限を追加で指定します。書式はintegrate(f(x),x,a,b)です。 放物線の下の面積。 (%i1) integrate(x^2,x,0,5); $$ \tag{%o1} \frac{125}{3} $$ 半円の面積 …
// ケーキ 不定積分はintegrate(f(x),x)という関数を使って行います。Maximaでintegrate()を使って不定積分を求める場合、いわゆる定数項は付きません。 まず、未定義関数の不定積分を求めると、名詞形でそのまま返ってきます。 (%i1) integrate(f(x),x); $$…
// 詳しい(そして実に面白いのですが)ことは、tsujimotterさんのブログ記事: http://tsujimotter.hatenablog.com/embed/6xx-xy-yy 6xx + xy + yy の形で表せる素数 - tsujimotterのノートブック上記の記事をぜひ読んでください。 で、その中で、素数 \(p …
// 微分をするにはdiff()関数を使います。高校の数学で微分を習う時に「微分をする関数」なんていう考え方はしませんが、Maximaのコマンドはプログラミング言語の関数みたいなものなので、微分するコマンド、位に考えて下さい。 これが最も基本的な使い方で…
Illegal use of hand // 総和の応用として調和数を計算してみます。最初にsimplify_sumパッケージをロードしておきます。 (%i1) load(simplify_sum)$ 調和数 \( H_{n} \) は自然数の逆数を順番に1から \( \frac{1}{n} \) まで足したものです。 (%i2) S:H[n]=…
Enter // Maxima は総和記号を使った式を閉形式にまとめることができることを以前の記事で書きました。今回はその応用です。まずパッケージsimplify_sumを読み込んでおきます。 (%i1) load(simplify_sum)$ 以下の式を展開すると係数は2項係数になります。 (…
// Chocolat fait à la main de mes filles 以前の記事で、ハートの方程式を紹介しました。以下のような式です。この式がそう呼ばれる理由は、グラフを描けば一目瞭然です。 (%i1) HF:x^2+(y-x^(2/3))^2=1; $$ \tag{%o1} \left(y-x^{\frac{2}{3}}\right)^2+x…
// 今年(2014年)の同志社大学の入試問題をMaximaを使って解いてみます。問題は次の通り: [III]曲線C: \( y=\log ^2x+{{3}\over{4}} \) , \( (x>0) \)について、以下の問いに答えよ。 (1) \( {{d\,y}\over{d\,x}} \), \( {{d^2\,y}\over{d\,x^2}} \)を求めよ…
// 微分をするにはdiff()関数を使います。高校の数学で微分を習う時に「微分をする関数」なんていう考え方はしません。Maximaのコマンドはプログラミング言語の関数みたいなものなので、微分するコマンド、位に考えて下さい。 これが最も基本的な使い方です…
かもめが飛んだ! // 前回、調和数をsum()やsimplify_sum()の例として取り上げました。そしてオイラーの積分による定義が確かに通常の定義と一致することを計算してみました。 あのオイラーの定義からすると当然、nの定義域を正の実数に広げることができます…
// お雑煮 (%i1) load(simplify_sum)$ 第n調和数の定義は普通は以下の通り。 (%i2) sum(1/k,k,1,n); $$ \tag{%o2} \sum_{k=1}^{n}{\frac{1}{k}} $$ オイラーはちょっと違う定義をしています。ガンマ関数の積分による定義と雰囲気が似ているような気がします…
// はじめての数式処理ソフト―Maximaで楽しむ数式計算と物理グラフィック CD-ROM付 (ブルーバックス)作者:竹内 薫出版社/メーカー: 講談社発売日: 2007/07/20メディア: 新書 このシリーズもこれが最後です。今回は、この本の記載の通り、やはり出来なかった…
// はじめての数式処理ソフト―Maximaで楽しむ数式計算と物理グラフィック CD-ROM付 (ブルーバックス)作者:竹内 薫出版社/メーカー: 講談社発売日: 2007/07/20メディア: 新書 この企画も今回を含めてあと2回となりました。 今回もグラフィックスものです。結…
// はじめての数式処理ソフト―Maximaで楽しむ数式計算と物理グラフィック CD-ROM付 (ブルーバックス)作者:竹内 薫出版社/メーカー: 講談社発売日: 2007/07/20メディア: 新書 コマ大数学の立体問題について271828さんからコメントをいただきました。ありがと…
// はじめての数式処理ソフト―Maximaで楽しむ数式計算と物理グラフィック CD-ROM付 (ブルーバックス)作者:竹内 薫出版社/メーカー: 講談社発売日: 2007/07/20メディア: 新書 この本のp40にはとても面白い立体図形の問題が載っています。 「3面図が、平面図…
// はじめての数式処理ソフト―Maximaで楽しむ数式計算と物理グラフィック CD-ROM付 (ブルーバックス)作者:竹内 薫出版社/メーカー: 講談社発売日: 2007/07/20メディア: 新書 竹内薫さん(物理や数学を中心に科学を分かり易く解説する人。フジテレビ『たけし…
Minolta Space Meter, used by NASA for Apollo missions and now displayed at Smithsonian National Air and Space Museum // 総和を求める関数はsum(式、変数、下限、上限)です。答えが数値や閉形式(sum関数を含まない形)で求まることも多く、sum()が答え…
// Cappuccino 総積を使ったちょっと不思議な公式を見てみましょう。 (%i1) S(x):=2*sin(%pi*x); $$ \tag{%o1} S\left(x\right):=2\,\sin \left(\pi\,x\right) $$ この関数をk=1~n-1で変化させながら総積をとるとその値は\( \sqrt{n} \)になるのです。 (%i2…
// 総積は階乗を一般化したものです。総積を作る関数product(exp,var,max)という式で、expの中のvarを自然数1~maxで変化させた時の全てのexpの積を表します。次の式は、10の階乗と同じはずです。(%i1) product(a,a,1,10);$$ \tag{%o1} 3628800 $$(%i2) 10!;…
ライトアップ Maximaの日本語マニュアルを公開されています。何が凄いって、Maximaの最新版に追従しているんですよ。Maxima日本語ドキュメントをたどるとMaximaの日本語マニュアルを見ることで来ます。繰り返しますが、最新版です!!! 素晴らしいです。 ち…