Maxima で綴る数学の旅

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-数学- アイゼンシュタイン級数の変換公式(その4)

今回はラマヌジャンのテータ関数の変換公式と呼ばれる次の式を証明します。次回以降でこの式からアイゼンシュタイン級数の変換公式を導きます。

$$ b^{\frac{1}{4}}\,e^ {- \frac{b}{12} }\,f\left(-e^{- 2\,b\,n }\right)=a^{\frac{1}{4}}\,e^ {- \frac{a}{12} }\,f\left(1-e^ {- 2\,a\,n }\right) $$

ただし\( f(-q)=\prod_{n=1}^{\infty}(1-q^n) \)及び\( a,b\gt 1, \, a\,b=\pi^2 \)です。

 

証明はデデキントのイータ関数の保型性の式から式変形で導きます。デデキントのイータ関数の保型性については随分と前に書いた以下の記事で扱っていました。今回はそこが出発点となり上記のテータ関数の変換公式を導きます。

 

maxima.hatenablog.jp

こうやって以前勉強したことが今勉強していることとつながってくると楽しさがどんどん広がりますね。更に今回のおまけとしてデデキントのイータ関数の一種の変換公式も得られました。上記のテータ関数と同じような形の公式がイータ関数でも成り立ちます。

 

その辺も含めて下記のjupyter notebookをご覧ください。