Maxima で綴る数学の旅

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-数学- 超幾何関数を使って楕円積分のランデン変換を示す

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超幾何関数とテータ関数の関係式:

$$\varphi^2(q)=F(\frac{1}{2},\frac{1}{2};1,x)$$

というものを理解したく、色々と調べていると実は買って積んであった手元の本に証明が載っていることを発見しました。

この本のChapter 5 The Connection Between Hypergeometric Functions and Theta Functionsは上記の式が成立することをMain Theoremとしてその証明が綴られています。

 

前の記事:

maxima.hatenablog.jp

の楕円積分を超幾何関数として表す式

$$\int_{0}^{\frac{\pi}{2}}{\frac{1}{\sqrt{1-k^2\,\sin ^2\vartheta}}\;d\vartheta}=\frac{\pi\,F\left( \left. \begin{array}{c}\frac{1}{2},\;\frac{1}{2}\\1\end{array} \right |,k^2\right)}{2}$$

はChapter 5, Lemma 5.1.3として載っており証明もそこを参照しました。しばらくはこの章を読んでいく記事が続きます。最後までたどり着けるか不安ですが、、、

 

今回はChapter 5, Theorem 5.1.6 (Landen's Transformation)の証明です。

楕円積分ではモジュラスkを変換すると楕円積分も変換されるのですが、その際に元の楕円積分と簡単な関係で書けることがあります。ランデン変換とかガウス変換というのが有名らしいです。

第1種完全楕円積分

$$K(k)=\int_{0}^{\frac{\pi}{2}}{\frac{1}{\sqrt{1-k^2\,\sin ^2\varphi}}\;d\varphi}$$

について次のランデン変換と呼ばれる関係式

$$K(\frac{2\,\sqrt{x}}{x+1})=(x+1)\,K(x)$$

が成り立つ、というのがTheorem 5.1.6の内容です。この関係式は超幾何関数の言葉で書けば次の式になります。

$$F\left(\frac{1}{2},\frac{1}{2};1;\frac{4\,x}{(1+x)^2}\right)=(1+x)\,F\left(\frac{1}{2},\frac{1}{2};1;x^2\right)$$