Maxima で綴る数学の旅

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-数学- アイゼンシュタイン級数の変換公式(その3)

前回、アイゼンシュタインの変換公式を証明しました。この公式は数理科学2020年8月号の平田典子さんの記事においても、そのほかのラマヌジャンの円周率公式の証明の論文を見ていても基本的な式となっています。

今回はアイゼンシュタインの変換公式の応用として次の式を証明します。

$$P(q^2)=(1-2\,x)\sum_{k=0}^{\infty}(3\,k+1)A_k\,X^k\, ただし A_k=\frac{\left(\frac12\right)_k^3}{k!^3}$$

 

ここまでくると平田さんの記事や、このブログの以前の記事

maxima.hatenablog.jp

でも紹介した、次のような式の面影が見えてきています。ここで\(A_n\)の定義は上述と同じです。

$$ \frac{4}{\pi}=\sum_{n=0}^{\infty }{\frac{\left(6\,n+1\right)\,A_{n}}{4^{n}}}$$

$$ \frac{16}{\pi}=\sum_{n=0}^{\infty }{\frac{\left(42\,n+5\right)\,A_{n}}{2^{6\,n}}}$$

 

今回の証明ではアイゼンシュタイン級数の変換公式にクローゼンの公式及びその微分を代入する形で進みます。クローゼンの公式はこちらの記事を見てください。

 

maxima.hatenablog.jp

 

前置きが長かったですが、ここから証明に進みます。