Maxima で綴る数学の旅

紙と鉛筆の代わりに、数式処理システムMaxima / Macsyma を使って、数学を楽しみましょう

-数学- 他の円周率公式も証明してみよう!

このシリーズでも折に触れて紹介してきたNayandeep BaruahさんとBerndtさんの論文

"EISENSTEIN SERIES AND RAMANUJAN-TYPE SERIES FOR 1/π"

には多くの\(\frac{1}{\pi}\) 級数公式とその証明がフレームワークに基づいて示されています。今回はその中から次の公式の証明を紹介します。

$$\frac{1}{\pi}=\sum_{k=0}^{\infty}((8-5\,\sqrt{2})\,k+3-2\,\sqrt{2})\,A_k\,(2\,\sqrt{2}-2)^{3\,k}\, ただし A_k=\frac{\left(\frac12\right)_k^3}{k!^3}$$

上記論文では第4節に(4.1)として紹介されています。そこでの紹介によればこの式はこの論文が初出のようです。

 

下記のノートブックを見ていただくとわかるのですが、このフレームワークではすでに証明してきたT2〜T5、証明していないがそれほど難しくないはずのT1、ラマヌジャンのモジュラー等式とシンギュラーモジュリの理論が必要なA1, A2を用いて議論を進めます。