で雑誌「現代数学」に黒川教授がゼータ関数に関する面白い連載をしている、という紹介をしました。その連載をまとめて、新しい文章も追加して、単行本にしたのが「ラマヌジャン、ζの衝撃」です。
ディリクレ級数の積に関する公式(初等的な畳み込み積ではなく、テンソル積の話)、アイゼンシュタイン級数に関連した特殊値を求める話、ラマヌジャンの保形形式と2次のオイラー積、ラマヌジャン予想、佐藤-テイト予想、ゼータ関数のラマヌジャンによる積分表示、などなど盛りだくさんです。
ラマヌジャンをイギリスに呼んだハーディやハーディの同僚のリトルウッドがラマヌジャンを公正に扱っていなかったと思われる点の指摘など、ラマヌジャンにまつわる数学史を新しい視点で述べているところも、迫力があります。
以前、連載記事を参考にアイゼンシュタイン級数の記事を作成しました。この本を読み込んで、Maximaで面白い検証や実験ができればまた記事にしていきたいと思います。