Maxima で綴る数学の旅

紙と鉛筆の代わりに、数式処理システムMaxima / Macsyma を使って、数学を楽しみましょう

2021-01-01から1年間の記事一覧

-数学- n次方程式のガロア群がn次対称群\(S_n\)の真部分群になるのはどんな時?

文字係数の\(n\)次方程式のガロア群は\(n\)次対称群\(S_n\)です。一方、ガロア群を求めるプログラムを書いて、具体的な数値を係数としてもつ、色々な方程式を試していると、ガロア群が\(n\)次対称群\(S_n\)になることもあれば、その真部分群になることもあり…

-その他- SBCLが正式にApple Silicon (M1 cpu)をサポート!

昨年末にこんな記事を投稿しました。 あれから3ヶ月、ついにSBCL (Steel Bank Common Lisp)が正式にApple Silicon M1 chipをサポートしたようです。 http://www.sbcl.org/news.html#2.1.2 によれば、 New in version 2.1.2 ⚪︎platform support: ⚪︎support fo…

-数学- 現代的な原始元定理と単拡大の原始元の構成方法

アクセス解析を見ていると、最近「ガロア理論 計算」みたいなキーワードで見にきてくださる方がいて、嬉しい限りです。 久しぶりにこの辺の記事を書いた時のことを思い出し、いくつかしっかりとは理解できていないことを思い出しました(色々理解できていな…

-数学- 楕円モジュラー関数/j不変量 (6)  まとめと実行ファイル

今回のシリーズは楕円モジュラー関数/j不変量\(j(t)\)の虚2次無理数での値を厳密に計算できることを知り、Maximaで実装してみた、ということでした。 各回の実行例は、以下のurlからjupyter notebookの形式で見ることもできますし、こちらのgithubレポジト…

-数学- 楕円モジュラー関数/j不変量 (5)  j(t)の特殊値の計算

この記事のコードをJupyter notebook形式で見るにはこちら。 このシリーズの目標は楕円モジュラー関数/j不変量の虚2次無理数での値を正確に求めることでした。そのために前回の記事: maxima.hatenablog.jp ではヒルベルト類多項式を求めました。\(j(t)\)は…

-数学- 楕円モジュラー関数/j不変量 (4) ヒルベルト類多項式を求める

この記事のコードをJupyter notebook形式で見るにはこちら。 共通の判別式\(D\)を持つ簡約虚2次無理数を全て求めることが出来れば、ヒルベルト類多項式を求めるのはあと一歩です。まずヒルベルト類多項式の定義を見てみましょう。 $$P_{D}(x)=\prod_{i=1}^{…

-数学- 楕円モジュラー関数/j不変量 (3) 虚2次無理数と判別式

この記事のコードをJupyter notebook形式で見るにはこちら。 数年前に虚2次無理数、判別式、モジュラー変換、基本領域などの記事を書きました。 この続きのような内容になります。またInFD(), FindInFD()は当時作った関数達です。 当時分からなかったのは、…

-数学- 楕円モジュラー関数/j不変量 (2) 実行例

この記事のコードをJupyter notebook形式で見るにはこちら。 楕円モジュラー関数のAPIをまとめてgithubに公開しました。 以下(%i1),(%i2)はmaxima-asdfという便利な道具を使ってgithubからダイレクトにダウンロード、ロードして実行する実行例になっています…

-数学- 楕円モジュラー関数/j不変量 (1) はじめに

2017年ごろ、このブログで楕円関数や楕円曲線、ワイエルストラスのペー関数、アイゼンシュタイン級数などの記事を書きました。その際、以下のような文章も書いたのですが、結局投稿せずにお蔵入りとしました。 楕円曲線やモジュラリティ定理の話を勉強してい…