Maxima で綴る数学の旅

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-数学- 超幾何関数の関数の2次変換公式

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 上記2つの記事で超幾何関数に関するクローゼンの公式を証明しました。それはこんな式でした。

$$_{2}F_1\left(a,b;a+b+\frac12;x\right)^2= {}_3F_2\left(2\,a,2\,b,a+b;2\,a+2\,b,a+b+\frac12;x\right)$$

しかし、ラマヌジャンの\(\frac{1}{\pi}\)に関する公式達に関する議論で必要なクローゼンの公式は以下の式なのです。

$$_{2}F_1\left(\frac12,\frac12;1;x\right)^2= {}_3F_2\left(\frac12,\frac12,\frac12;1,1;4\,x\,(1-x)\right)$$

なんだか微妙に違っています。単純に\(a, b\)に\(\frac12\)や\(\frac{1}{4}\)を代入してもうまく合わないし、そもそも右辺の最後の引数の形が異なるのですよね、、、、

 

最近よく参照させて頂いている子葉さんの記事

mathlog.info

でもこの形の公式は出てきません。ただ子葉さんの記事の中にこの2つの公式をつなぐ別の公式が取り上げられていました。それがガウス超幾何関数の2次変換公式です。それはこんな公式です。

$$ {}_2F_1\left(a,b;\frac{a+b+1}{2};z\right)={}_2F_1\left(\frac{a}{2},\frac{b}{2}; \frac{a+b+1}{2}; 4\,z\,(1-z)\right)$$

この公式を使って欲しい公式を示すのは次回にして、今回は子葉さんの記事の中の2次変換公式の証明をMaximaを使って追ってみました。