Maxima で綴る数学の旅

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-数学- アイゼンシュタイン級数 (その3)

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CH-47J チヌーク

 

(その2)の記事の最後の展開を見るとわかることは、

$$\begin{align*} \frac{1}{\left(m\,z+n\right)^{k}}=\frac{1}{d^{k}\,\left(m_{d}\,z+n_{d}\right)^{k}} \end{align*} $$

という因数分解が全ての項について行われていることです。その結果、同じ \( m_{d}, n_{d} \)のペアについて、\(d\) の値として全ての自然数が現れることがわかります。\( a=m_{d}, b=n_{d} \)として式で書くと、

$$\begin{align*} \sum_{\left(m,\,n\right)\in{Z^2}}{\frac{1}{\left(m\,z+n\right)^{k}}} &= \sum_{\left(a,\,b\right)\in{Z^2}, \left(a,\,b\right)=1}{\sum_{d=1}^{\infty}{\frac{1}{d^{k}\,\left(a\,z+b\right)^{k}}}} \newline &= \zeta\left(k\right)\sum_{\left(a,\,b\right)\in{Z^2}, \left(a,\,b\right)=1}{\frac{1}{\left(a\,z+b\right)^{k}}} \end{align*}$$

 

アイゼンシュタイン級数の定義で(m, n)が(0,0)以外の全ての整数の組み合わせを走る場合と、(m, n)が互いに素な整数を全て走る場合があるのですが、それは\( \zeta\left(k\right) \)倍ずれているだけ、ということです。