Maxima で綴る数学の旅

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-数学- アイゼンシュタイン級数 (その3)

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ウォームアップ

 

アイゼンシュタイン級数にはz->z+1やz->-1/zなどの変数変換をしてもあまり変化しません。(これらの変換である種の対称性があります)。

アイゼンシュタイン級数の定義は以下の通りでした。ただし(m,n)=(0,0)は除きます。

(%i1) lsum(1/(m*z+n)^k, mn,Z^2);
(%o1)mnZ21(mz+n)k

zをz+1に置き換えるどうなるでしょうか。
(%i2) %,z:z+1,expand;
(%o2)mnZ21(mz+n+m)k

定義式(%o1)と比較するとm->m, n->n+mとなっています。この式でもm, n+mは(0,0)を除く全ての整数を走ります。つまり元の式と値は同じです。

次にz->-1/zとするとどうなるでしょうか。
(%i3) lsum(1/(m*z+n)^k, mn,Z^2);
(%o3)mnZ21(mz+n)k
(%i4) %,z:-1/z;
(%o4)mnZ21(nmz)k

ちょっと見やすくするために整理関数radcan()を使います。
(%i5) radcan(%);
(%o5)mnZ2zk(nzm)k

m->n, n->-mとなっています。この式でもn,-mは(0,0)を除く全ての整数の組を走ります。つまり元の式の値のzk倍になっています。