ウォームアップ
アイゼンシュタイン級数にはz->z+1やz->-1/zなどの変数変換をしてもあまり変化しません。(これらの変換である種の対称性があります)。
アイゼンシュタイン級数の定義は以下の通りでした。ただし\( \left(m, \,n\right)=\left(0,\,0\right) \)は除きます。
(%i1) lsum(1/(m*z+n)^k, mn,Z^2);
$$ \tag{%o1} \sum_{\mathrm{mn}\in{Z^2}}{\frac{1}{\left(m\,z+n\right)^{k}}} $$
zをz+1に置き換えるどうなるでしょうか。
(%i2) %,z:z+1,expand;
$$ \tag{%o2} \sum_{\mathrm{mn}\in{Z^2}}{\frac{1}{\left(m\,z+n+m\right)^{k}}} $$
定義式(%o1)と比較するとm->m, n->n+mとなっています。この式でもm, n+mは(0,0)を除く全ての整数を走ります。つまり元の式と値は同じです。
次にz->-1/zとするとどうなるでしょうか。
(%i3) lsum(1/(m*z+n)^k, mn,Z^2);
$$ \tag{%o3} \sum_{\mathrm{mn}\in{Z^2}}{\frac{1}{\left(m\,z+n\right)^{k}}} $$
(%i4) %,z:-1/z;
$$ \tag{%o4} \sum_{\mathrm{mn}\in{Z^2}}{\frac{1}{\left(n-\frac{m}{z}\right)^{k}}} $$
ちょっと見やすくするために整理関数radcan()を使います。
(%i5) radcan(%);
$$ \tag{%o5} \sum_{\mathrm{mn}\in{Z^2}}{\frac{z^{k}}{\left(n\,z-m\right)^{k}}} $$
m->n, n->-mとなっています。この式でもn,-mは(0,0)を除く全ての整数の組を走ります。つまり元の式の値の\( z^{k} \)倍になっています。