Maxima で綴る数学の旅

紙と鉛筆の代わりに、数式処理システムMaxima / Macsyma を使って、数学を楽しみましょう

-数学- Q.E.の例題 xの範囲、yの範囲

 

QEの計算アルゴリズムとその応用―数式処理による最適化
 

 

次は上記の本のp30に載っている練習問題(問題1.1)です。

実数x, yが下記の式El (%o2)を満たす時、x, yの動く範囲を求めよ。

早速やってみましょう。

(%i1) load("qepmax.mac")$

(%i2) El:3*x^2-4*x*y+6*y^2-8*x-4*y+3=0;

$$ \tag{%o2} 6\,y^2-4\,x\,y-4\,y+3\,x^2-8\,x+3=0 $$

xが存在するためのyの条件を求めるにはxに存在量化子をつけ、yを自由変数とします。

(%i3) qe([ [E,x] ],El);

$$ \tag{%o3} 2\,y^2-4\,y-1\leq 0 $$

念のためyについて解いて、見やすくします。

(%i4) rangey:solve(lhs(%),y);

$$ \tag{%o4} \left[ y=-\frac{\sqrt{6}-2}{2} , y=\frac{\sqrt{6}+2}{2} \right]  $$

またyが存在するためのxの条件を求めるためにはyに存在量化子を付け、xを自由変数とします。

(%i5) qe([ [E,y] ],El);

$$ \tag{%o5} x^2-4\,x+1\leq 0 $$

こちらも同様、xについて解いて、見やすくします。

(%i6) rangex:solve(lhs(%),x);

$$ \tag{%o6} \left[ x=2-\sqrt{3} , x=\sqrt{3}+2 \right]  $$

これらの結果をまとめてグラフに描いてみます。

(%i7) wxdraw2d(implicit(El,x,0,4,y,-1,3),explicit(rhs(part(rangey,1)),x,0,4),

   explicit(rhs(part(rangey,2)),x,0,4),implicit(part(rangex,1),x,0,4,y,-1,3),

   implicit(part(rangex,2),x,0,4,y,-1,3));

f:id:jurupapa:20140506221257p:plain

$$ \tag{%o7} \left[ \mathrm{gr2d}\left(\mathrm{implicit} , \mathrm{explicit} , \mathrm{explicit} , \mathrm{implicit} , \mathrm{implicit}\right) \right]  $$