Maxima で綴る数学の旅

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-数学- 超幾何関数と超幾何微分方程式(2)

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一般超幾何関数の満たす超幾何微分方程式に話を進めます。今回は対象を\({}_3F_2\)にします。前回の記事で示したガウス超幾何関数\({}_2F_1\)を満たす超幾何微分方程式を求める手順は以下の通りでした。

  • まずガウス超幾何関数の微分を2階微分まで2通りの方法で求めます。
  • 次にガウス超幾何関数の冪級数展開の係数に自明に成り立つ漸化式を作り、それを展開します。
  • この漸化式の両辺に\(\frac{x^n}{n!}\)を掛けてから\(n=0,\dots\infty\)で総和を取ります。
  • この式の各項を「うまく係数を合わせて」先ほど求めた1階微分や2階微分に置き換えます。
  • この結果全部置き換えられて、微分方程式が得られるのでした。

今回は対象を\({}_3F_2\)にします。概ね上記のステップでこの場合も超幾何微分方程式を求めることができます。さらに上記の「うまく係数を合わせて」の部分もアルゴリズム的に処理できました。これにより一般的な\({}_pF_q\)にも応用できそうです。

 

今回も上記の流れに沿った計算は以下のノートを参考にさせて頂きました。