これはパピヨンではないです。
今回行ったことを普通の体論で考えるとどうなるのでしょうか。 以下の2つを参考にしながら以下にまとめてみました。
ガロアの時代 ガロアの数学〈第2部〉数学篇 (シュプリンガー数学クラブ)
- 作者: 彌永昌吉
- 出版社/メーカー: シュプリンガー・フェアラーク東京
- 発売日: 2002/08
- メディア: 単行本
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補助定理IIでまだ求まっていない根の一次結合Vを考えました。これは方程式の根を一度に添加するための工夫です。Vは原始元定理の原始元です。\( Q\left(\alpha, \beta, \gamma\right) = Q\left(V\right) \)となります。Vはこの単拡大を担っているわけです。またVは代数的数なので、\(Q\left(V\right) \)は有限拡大になります。
有限単拡大の拡大体の任意の元は拡大時に添加した元Vの多項式として書くことができます。従って\( \alpha, \beta, \gamma \)それぞれをVの多項式で書くことができます。それが補助定理IIIです。
補助定理IVではVを解に持つQ係数のモニックな既約多項式(最小多項式)を求めます。そのためにまずVを解に持つQ係数の多項式F(V)を作り、Qの範囲で因数分解します。適当に一つ因数を取り上げ、そこにVが含まれているとします(\(\alpha, \beta, \gamma\) の名前を付け替えることでそのように出来るので)。
\( Q\left(\alpha, \beta, \gamma\right) = Q\left(V\right) \)はこの最小多項式の根を全て添加した拡大体になっています。
F(V)が因数分解できる場合にはV(元の方程式の根の一次結合)の根の置換で得られるV1, V2, V3,,,の全てがVの最小多項式の解になるわけではありません。
Vの最小多項式の根となるV', V''...V'''について、それらを得るための根の置換が\(Q\left(V\right) = Q\left(\alpha, \beta, \gamma\right) \)で許される根の置換であることは自明でしょう。それらを置換群としてまとめたものが、「命題I」で求めたガロア群です。