Maxima で綴る数学の旅

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-数学- 素数の逆数の和は整数にはならない

 

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\( i \)番目の素数\( p_{i} \)を最初から\( k \)個足した和を考えます。\( k \)をどのようにとってもこの和がちょうど整数になることは決してありません。

仮にちょうど整数になったとしてその数を\( n \)とします。

(%i1) n=sum(1/p[i],i,1,k);

$$ \tag{%o1} n=\sum_{i=1}^{k}{\frac{1}{p_{i}}} $$

最初の1項だけを総和から外してみます。

(%i2) n=1/p[1]+sum(1/p[i],i,2,k);

$$ \tag{%o2} n=\sum_{i=2}^{k}{\frac{1}{p_{i}}}+\frac{1}{p_{1}} $$

ちょっと式変形。

(%i3) %-part(%,2,1);

$$ \tag{%o3} n-\sum_{i=2}^{k}{\frac{1}{p_{i}}}=\frac{1}{p_{1}} $$

両辺に\( p_{2} \)から\( p_{k} \)までの総積をかけてみます。

(%i4) %*product(p[i],i,2,k),expand;

$$ \tag{%o4} \left(\prod_{i=2}^{k}{p_{i}}\right)\,n-\left(\sum_{i=2}^{k}{\frac{1}{p_{i}}}\right)\,\prod_{i=2}^{k}{p_{i}}=\frac{\prod_{i=2}^{k}{p_{i}}}{p_{1}} $$

この式を良く見れば、左辺の第1項は明らかに整数です。左辺の第2項も実は整数になります。和の全ての項と総積の間で約分が必ず出来るからです。

 

一方右辺は明らかに整数ではありません。\( p_{2} \)から\( p_{k} \)までの総積が\( p_{1} \)で割り切れることは無いからです。

これは矛盾です!