Maxima で綴る数学の旅

紙と鉛筆の代わりに、数式処理システムMaxima / Macsyma を使って、数学を楽しみましょう

-Maxima入門- Maxima の紹介

 

Maximaとはオープンソースの数式処理システムです。コンピュータは元々計算を高速に行うための機械ですが、普通にC, C++などで計算プログラムを書くと、32bitや64bitの整数計算、浮動小数点計算で行われることがほとんどです。

 

しかし、コンピュータは、内部表現を工夫することで、数学で普通に扱っている数や式をそのまま扱うことも出来るのです。そのようなソフトウェアは数式処理システムと呼ばれます。

 

Maxima, Mathematica, Reduce, Risa/Asirなどは数式処理システムです。

 

Maximaはもとをたどると、由緒正しいソフトウェアです。1968年、マサチューセッツ工科大学人工知能研究所で開発が始まりました。数式の形で微分積分が出来るプログラム、ターミナルに数式をそれっぽく表示するプログラム、、、これらがMac Lispというプログラミング言語で作られて行きました。当時この数式処理システムはMacsymaと呼ばれていました。

 

1982年からテキサス大学のWilliam Schelter教授がオープンソースとして開発を続けました。Mac LispからKyoto Common Lispに移植されて、多くのコンピュータで動作するようになりました。教授は2001年に亡くなりましたが、maxima.sourceforge.netで開発は続いています。(一時的に商用ソフトとしてWindows版が購入出来た時期もあったようです)。

 

現在開発が続けられているMaximaは様々なプラットフォームで動作することが確認されています。特にwxMaximaという、MaximaGUIで操作できるソフトは幅広く使われています。Windows 7, Windows VistaなどのWindows OS上では、通常のインストーラを使ってインストール出来ます。各種Linuxディストリビューション上では(必ずしも最新版ではないですが)パッケージインストーラを使ってインストールすることができます。Mac OS Xについてもインストーラをダウンロードすることも出来ます。インストールがうまくいけば、wxMaximaというプログラムを起動すると、Maximaを使い始めることができます。

 

wxMaximaにはすばらしいGUIがついており、数式入力を補助してくれます。しかしMaximaを使いこなすには、やはりコマンドを知り、それらを上手く使う必要があります。いくつかのコマンドを上手く使って目的の計算ができると、結構快感だったりします。

 

このMaxima入門では本当にたくさんあるMaximaのコマンドや関数の中でよく使うものを、実際の処理の中でお見せします。ぜひご自身でもやってみてください。ちょっと変えてやってみるともっとよく理解できます。