Maxima で綴る数学の旅

紙と鉛筆の代わりに、数式処理システムMaxima / Macsyma を使って、数学を楽しみましょう

2026-04-01から1ヶ月間の記事一覧

完全秘匿な暗号方式を短い鍵でも計算量的安全に使うには?

この先の議論を展望するために、何のために計算量的安全性の議論をしているのか、今一度振り返ります。シャノンが導入した完全秘匿性にはその暗号文から平文の情報が全く漏れないという素晴らしい性質があります。同時に鍵と平文の長さは同じだけ必要、とか…

意味的安全性、計算量的識別不可能性のLean4による形式化

意味的安全性と計算量的識別不可能性の定義を再掲し、それぞれのLean4による形式化をみてみます。簡単な方から行くのが良いですよね。まずは定義3.5とその形式化です。 定義3.5 (t, ε)-識別不可能性 共通鍵暗号方式(Enc, Dec)が(t, ε)-識別不可能であるとは…

計算量的識別不可能性と意味的安全性

安永先生の本「暗号理論入門」では第3章で計算量的な安全性を導入します。 ここからは勉強したことのメモとLean4による定義および定理を述べますが、理論の背景は述べません。ぜひ安永先生の本で勉強してください。またLean4による証明も記載しませんが、Gi…

計算量的安全性

今まで安永先生の「暗号理論入門」第1章、第2章をベースに完全秘匿性を中心とした暗号の安全性について勉強してきました。ここから先はいよいよ計算量的安全性の話に入ります。 完全秘匿性を持つ暗号には「鍵空間のサイズは平文空間のサイズと同じかより大…