Maxima で綴る数学の旅

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-Maxima入門, 数学- n変数の基本対称式をn+1変数の対称式で表す

対称式を基本対称式の多項式で表す、というのはよくあることで、maximaでもそのような計算をするためのパッケージsymがあります。

 

symパッケージを使って対称式をMaximaで取り扱う方法については以前に以下の記事で書きました。 

上記の記事の例でもそうなのですが、普通は例えば3変数の対称式を3変数の基本対称式の多項式で表す、ということが課題になります。

 

しかし実は3変数(例えば\(\alpha, \beta, \gamma\))の対称式はそのうち2つの変数の対称式とも見做すことができます。当然その2変数の任意の入れ替えでも式は変化しないからです。

 

ここではそれらの2変数の基本対称式(\(e_1 e_2, e_1=\beta+\gamma, e_2=\beta\,\gamma\) )を3変数の基本対称式(\(c_1,c_2,c_3, c_1=\alpha+\beta+\gamma, c_2=\alpha\,\beta+\beta\,\gamma+\gamma\,\alpha, c_3=\alpha\,\beta\,\gamma \) )と\(\alpha\)で表してみます。

 

まずパッケージsymを読み込みます。

(%i1) load("sym")$

ここで色々と警告が出ますが、とりあえず無視して良さそうです。

多項式の解と係数の関係から、以下のc1,c2,c3は3つの解の基本対称式となります。
(%i2) F1:x^3-c1*x^2+c2*x^1-c3;
$$ \tag{%o2} x^3-\mathrm{c1}\,x^2+\mathrm{c2}\,x-\mathrm{c3} $$

さて、\(\alpha, \beta, \gamma\)を解とするxの方程式を考えます。そしてその展開を得ます。
(%i3) ratvars(x);
$$ \tag{%o3} \left[ x \right] $$
(%i4) rat((x-alpha)*(x-beta)*(x-gamma));
$$ \tag{%o4} x^3+\left(-\gamma-\beta-\alpha\right)\,x^2+\left(\left(\beta+\alpha\right)\,\gamma+\alpha\,\beta\right)\,x-\alpha\,\beta\,\gamma $$

この式を\(\beta, \gamma\)の対称式とみなして、この2変数の基本対称式で表してみます。(%i5)で短縮形を作り、(%i6)で基本対称式で表します。e1, e2は2変数\(\beta, \gamma\)の基本対称式\(e1=\beta+\gamma, e2=\beta\,\gamma\)です。
(%i5) tcontract(%,[beta,gamma]);
$$ \tag{%o5} \beta\,\left(x-\alpha\right)\,\gamma+x^3-\alpha\,x^2+\beta\,\left(\alpha\,x-x^2\right) $$
(%i6) elem([2],%,[beta,gamma]);
$$ \tag{%o6} x^3-\alpha\,x^2+\mathrm{e1}\,\left(\alpha\,x-x^2\right)+\mathrm{e2}\,\left(x-\alpha\right) $$

これをxで整理してF3を得ます。
(%i7) F3:rat(%);
$$ \tag{%o7} x^3+\left(-\mathrm{e1}-\alpha\right)\,x^2+\left(\mathrm{e2}+\alpha\,\mathrm{e1}\right)\,x-\alpha\,\mathrm{e2} $$

F1とF3が等しいと置いて、係数を比較します。
(%i8) rat(F3-F1);
$$ \tag{%o8} \left(-\mathrm{e1}+\mathrm{c1}-\alpha\right)\,x^2+\left(\mathrm{e2}+\alpha\,\mathrm{e1}-\mathrm{c2}\right)\,x-\alpha\,\mathrm{e2}+\mathrm{c3} $$

係数が等しいことから得られる連立方程式を解くとe1,e2が得られます。
(%i9) solve([coeff(%,x,2)=0,coeff(%,x,1)=0],[e1,e2]);
$$ \tag{%o9} \left[ \left[ \mathrm{e1}=\mathrm{c1}-\alpha , \mathrm{e2}=\mathrm{c2}-\alpha\,\mathrm{c1}+\alpha^2 \right] \right] $$

This is a test.
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