Maxima で綴る数学の旅

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-数学- 楕円曲線、平行四辺形、トーラスをつなぐペー関数

前の記事、 

で求めたペー関数の微分方程式

$$ \notag \left(\frac{d}{d\,z}\,\wp\left(z , w_{1} , w_{2}\right)\right)^2=-140\,G_{6}(w_{1},w_{2})-60\,G_{4}(w_{1},w_{2})\,\wp\left(z , w_{1} , w_{2}\right)+4\,\wp\left(z , w_{1} , w_{2}\right)^3 $$

で \(60\,G_{4}(w_{1},w_{2}),140\,G_{6}(w_{1},w_{2}) \) をそれぞれ \(g_2, g_3\)と置くと、

$$ \notag \left(\frac{d}{d\,z}\,\wp\left(z , w_{1} , w_{2}\right)\right)^2=-g_3-g_2\,\wp\left(z , w_{1} , w_{2}\right)+4\,\wp\left(z , w_{1} , w_{2}\right)^3 $$

となります。

\( x=\wp\left(z , w_{1} , w_{2}\right),y=\frac{d}{d\,z}\,\wp\left(z , w_{1} , w_{2}\right) \)とすると、これらのx,yは次の3次式を満たすわけです。

$$ \notag y^2=-g_3-g_2\,x+4\,x^3 $$

ようやく楕円曲線にたどり着くことができました!! このような形の楕円曲線ワイエルシュトラスの標準形と呼ばれています。

 

ここまでの議論を振り返ってみます。

複素平面上に平行四辺形の繰り返しからなる格子を考えました。平行四辺形は4点0, w1, w2, w1+w2で与えられます。この平行四辺形の上で関数を定義すると、複素平面の上ではこの関数はw1方向とw2方向に周期性を持つ2重周期関数となります。

ワイエルストラスのペー関数はまさにこのような2重周期関数です。そして平行四辺形内の1点uに対して\( (x,y)=\left( \wp\left(u , w_{1} , w_{2}\right),\,\wp^{\prime}\left(u , w_{1} , w_{2}\right) \right) \)を対応させると、(x,y)はワイエルシュトラスの標準形の形の楕円曲線上に乗ることが分かりました。

実は逆の議論が成り立ちます。

任意の楕円曲線は適当な変数変換でワイエルシュトラスの標準形に変形できます。そして\(g_2, g_3\)に対応する\(w_1,w_2\)が一意に決まります。これで複素平面上の平行四辺形が決まりました。さらにワイエルシュトラスの標準形を満たすx,yに対応する平行四辺形内の点uを求めることができます。

つまり平行四辺形と楕円曲線は同じものに見えますよね、、、とどの本にも書いてあります。

さらに複素平面上で繰り返す平行四辺形を、一つ取り出して平行する辺同士を貼り合わせると、、、ドーナツになります。専門用語ではトーラスです。任意の2重周期関数はこのトーラスの上で定義されることになるわけです。

ということは、、、楕円曲線は(ペー関数を通して)トーラスに、トーラスは(ペー関数を通して)楕円曲線に、(数学の専門家には)見えることになります。

なんだかカッコよく言っていますが、ポイントは\(g_2, g_3\)の組=楕円曲線、と\(w_1,w_2\)の組=平行四辺形orトーラス、はほぼ一対一対応する、ということです。

 

このように楕円関数と密接に結びついているために、yの2次式=xの3次式、の曲線を楕円曲線と呼ぶことになったのでした。 

 

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