Maxima で綴る数学の旅

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-数学- 佐藤テイト予想(テイラーの定理)の計算による確認(その2)

ティーが一杯

 

佐藤テイト予想はもともと、\( \frac{\left| \mathrm{\%Nsolve}\left(E , p\right)-p \right| }{2\,\sqrt{p}}=\cos \vartheta_{p} \)を満たす\(\vartheta_{p} \)の分布という形で述べられています。

しかし、テイラー教授の解説では、\( \frac{\left| \mathrm{\%Nsolve}\left(E , p\right)-p \right| }{2\,\sqrt{p}} \)が\( \frac{2}{\pi}\,\sqrt{1- x^2} \)の形に分布する、という形で予想が述べられており、そのグラフも示されています。

(その1)の記事で示したプログラムをほんのわずか変更するだけで、こちらのグラフを得ることができるので、それを示しておきます。ただしNsolveF(elc, p)は(その1)で与えられた形で定義されているとしています。

(%i1) elc:y^2=x^3-7*x-6;
$$ \tag{%o1} y^2=x^3-7\,x-6 $$
(%i2) sato_tate_no_acos(elc,minp,maxp):=block([res],
res:[ ],
for p:next_prime(minp-1) next next_prime(p) thru maxp do
(res:append([(p-NsolveF(elc,p))/(2*ev(sqrt(p),numer))],res),
if mod(p,1000)<5 then print(p)),
res)$
(%i3) compile(sato_tate_no_acos)$
(%i4) res:sato_tate_no_acos(elc,1,10000)$
(%i5) load(draw)$
(%i6) load(descriptive)$
(%i7) draw2d(proportional_axes=xy,
    histogram_description(res,nclasses=20,frequency=density),
    explicit(2/%pi*sqrt(1-x^2),x,-1,1),xrange=[-1,1]);

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20万以下の素数について計算するともう少しきれいなグラフが得られます。

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数学のたのしみ〈2008最終号〉フォーラム:現代数学のひろがり 佐藤‐テイト予想の解決と展望

数学のたのしみ〈2008最終号〉フォーラム:現代数学のひろがり 佐藤‐テイト予想の解決と展望

  • 作者: 
  • 出版社/メーカー: 日本評論社
  • 発売日: 2008/06/01
  • メディア: 単行本
 

 

 

のp157より、

「相互法則と密度定理」リチャード・テイラー(伊藤哲史訳)

を参考にしました。