Maxima で綴る数学の旅

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-数学- アイゼンシュタイン級数のフーリエ展開をリプシッツ公式から導く

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重さkのアイゼンシュタイン級数フーリエ展開の係数は約数のk乗の和が登場するのがとても面白いです。どうしてそんなことが起こるのでしょうか。

まず、約数のk乗和関数をimaximaやMaxima on Androidでカッコよく表示するためのおまじないです。

(%i1) texput(divsum,lambda([e],block([num,index],
[num,index]:args(e),
concat("\\sigma_{",tex1(index),"}(",num,")"))))$

モジュラー形式の数式変形ではよくあるように、qとzには以下の関係があるとします。
(%i2) cond1:q=exp(2*%pi*%i*z);

$$ \tag{%o2} q=e^{2\,i\,\pi\,z} $$

リプシッツの公式とは以下の式です。
(%i3) lip:sum((z-n)^(-k),n,-inf,inf)=(-2*%pi*%i)^k/(k-1)!*sum(n^(k-1)*q^n,n,1,inf);
$$ \tag{%o3} \sum_{n=-\infty }^{\infty }{\frac{1}{\left(z-n\right)^{k}}}=\frac{\left(-i\right)^{k}\,2^{k}\,\pi^{k}\,\sum_{n=1}^{\infty }{n^{k-1}\,q^{n}}}{\left(k-1\right)!} $$

zに係数mがかかれば、アイゼンシュタイン級数とかなり近くなります。そのためにz→mzに置き換えてみます。
(%i4) cond1,z:m*z;
$$ \tag{%o4} q=e^{2\,i\,\pi\,m\,z} $$

新しいqは以前のqのm上になっていることがわかります。そこで(%o3)に対してz→mz, q→q^mという置き換えをしてみます。
(%i5) lip2:lip,z:m*z,q:q^m;
$$ \tag{%o5} \sum_{n=-\infty }^{\infty }{\frac{1}{\left(m\,z-n\right)^{k}}}=\frac{\left(-i\right)^{k}\,2^{k}\,\pi^{k}\,\sum_{n=1}^{\infty }{n^{k-1}\,q^{m\,n}}}{\left(k-1\right)!} $$

この式に対してmを \( 1 \) から \( \infty \)まで動かした総和を取ります。
(%i6) lipsum:sum(lip2,m,1,inf);
$$ \tag{%o6} \sum_{m=1}^{\infty }{\sum_{n=-\infty }^{\infty }{\frac{1}{\left(m\,z-n\right)^{k}}}}=\frac{\left(-i\right)^{k}\,2^{k}\,\pi^{k}\,\sum_{m=1}^{\infty }{\sum_{n=1}^{\infty }{n^{k-1}\,q^{m\,n}}}}{\left(k-1\right)!} $$

ここで、前回の記事で紹介した約数のk乗和のランベルト型母関数とその簡単な変形を使うと以下の式変形ができます。
(%i7) substpart(sum(divsum(n,k-1)*q^n,n,1,inf),%,2,1,4);
$$ \tag{%o7} \sum_{m=1}^{\infty }{\sum_{n=-\infty }^{\infty }{\frac{1}{\left(m\,z-n\right)^{k}}}}=\frac{\left(-i\right)^{k}\,2^{k}\,\pi^{k}\,\sum_{n=1}^{\infty }{\sigma_{k-1}(n)\,q^{n}}}{\left(k-1\right)!} $$

両辺を2倍して、\( 2\,\zeta\left(k\right) \)を加えましょう。
(%i8) 2*%+2*zeta(k);
$$ \tag{%o8} 2\,\sum_{m=1}^{\infty }{\sum_{n=-\infty }^{\infty }{\frac{1}{\left(m\,z-n\right)^{k}}}}+2\,\zeta\left(k\right)=\frac{\left(-i\right)^{k}\,\pi^{k}\,2^{k+1}\,\sum_{n=1}^{\infty }{\sigma_{k-1}(n)\,q^{n}}}{\left(k-1\right)!}+2\,\zeta\left(k\right) $$

上記(%o8)と

で紹介した(%o14) をじっくりと見比べてみてください。mの範囲と符号に気をつけると、上記(%o8)の左辺は上記記事の(%o14)と等しいことがわかります。(%o14)はアイゼンシュタイン級数の定義を変形したものですから、

 (%i9) lsum(1/(m*z+n)^k, mn,Z^2)=rhs(%);

$$ \tag{%o9} \sum_{\mathrm{mn}\in{Z^2}}{\frac{1}{\left(m\,z+n\right)^{k}}}=\frac{\left(-i\right)^{k}\,\pi^{k}\,2^{k+1}\,\sum_{n=1}^{\infty }{\sigma_{k-1}(n)\,q^{n}}}{\left(k-1\right)!}+2\,\zeta\left(k\right) $$

が成り立つ、というわけです。

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