Maxima で綴る数学の旅

紙と鉛筆の代わりに、数式処理システムMaxima / Macsyma を使って、数学を楽しみましょう

-Maxima入門- 総和の応用 調和数(あるいはハーモニックナンバー)

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Illegal use of hand

 

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総和の応用として調和数を計算してみます。最初にsimplify_sumパッケージをロードしておきます。

(%i1) load(simplify_sum)$

調和数 \( H_{n} \) は自然数の逆数を順番に1から \( \frac{1}{n} \) まで足したものです。

(%i2) S:H[n]=sum(1/k,k,1,n);

$$ \tag{%o2} H_{n}=\sum_{k=1}^{n}{\frac{1}{k}} $$

以下は簡単な計算例です。

(%i3) S,n:5;

$$ \tag{%o3} H_{5}=\sum_{k=1}^{5}{\frac{1}{k}} $$

(%i4) %,nouns;

$$ \tag{%o4} H_{5}=\frac{137}{60} $$

(%i5) S,n:10,nouns;

$$ \tag{%o5} H_{10}=\frac{7381}{2520} $$

 

Maximaのsimplify_sumパッケージにはharmonic_number(n)という関数が定義されており、これを利用すれば上記のような定義を自分ですること無く、調和数を計算出来ます。

(%i6) 'harmonic_number(5)=harmonic_number(5);

$$ \tag{%o6} \mathrm{\%harmonic\underline{\quad}number}\left(5\right)=\frac{137}{60} $$

(%i7) 'harmonic_number(10)=harmonic_number(10);

$$ \tag{%o7} \mathrm{\%harmonic\underline{\quad}number}\left(10\right)=\frac{7381}{2520} $$

 

、、、でもこれはあまりにも簡単ですから、利用者が自分で定義しても、、、と考えてしまいます。じつはこのharmonic_number(n)は自然数だけではなく、有理数や実数についても定義されています。

(%i8) 'harmonic_number(1/2)=harmonic_number(1/2);

$$ \tag{%o8} \mathrm{\%harmonic\underline{\quad}number}\left(\frac{1}{2}\right)=2-2\,\log 2 $$

(%i9) 'harmonic_number(1/3)=harmonic_number(1/3);

$$ \tag{%o9} \mathrm{\%harmonic\underline{\quad}number}\left(\frac{1}{3}\right)=-\frac{3\,\log 3}{2}-\frac{\pi}{2\,\sqrt{3}}+3 $$

(%i10) 'harmonic_number(1/4)=harmonic_number(1/4);

$$ \tag{%o10} \mathrm{\%harmonic\underline{\quad}number}\left(\frac{1}{4}\right)=-3\,\log 2-\frac{\pi}{2}+4 $$

しかも計算結果が何やら複雑で、そもそもその定義はどうなっているのか、ちょっと不思議です。実はharmonic_number(n)は以下のような積分で定義出来るのです。

(%i11) I1:integrate((1-x^n)/(1-x),x,0,1);

$$ \tag{%o11} \int_{0}^{1}{\frac{1-x^{n}}{1-x}\;dx} $$

この積分を計算する際にnに任意の有理数や実数を代入すれば、上記のような結果が計算出来ます。

(%i12) I1,n=1/2;

$$ \tag{%o12} \int_{0}^{1}{\frac{1-\sqrt{x}}{1-x}\;dx} $$

(%i13) %,nouns;

$$ \tag{%o13} 2-2\,\log 2 $$

(%i14) I1,n=1/3;

$$ \tag{%o14} \int_{0}^{1}{\frac{1-x^{\frac{1}{3}}}{1-x}\;dx} $$

(%i15) %,nouns;

$$ \tag{%o15} -\frac{3\,\log 3}{2}-\frac{\pi}{2\,\sqrt{3}}+3 $$

 

この積分でnが自然数の時、通常の調和数の定義と一致することは次のようにして分かります。n=5の場合で計算してみます。積分範囲を0からaとします(あとでa=1とします)。

(%i16) Ia:'integrate((1-x^5)/(1-x),x,0,a);

$$ \tag{%o16} \int_{0}^{a}{\frac{1-x^5}{1-x}\;dx} $$

(%i17) ratsimp(Ia);

$$ \tag{%o17} \int_{0}^{a}{x^4+x^3+x^2+x+1\;dx} $$

これを項別積分します。

(%i18) %,nouns,expand;

$$ \tag{%o18} \frac{a^5}{5}+\frac{a^4}{4}+\frac{a^3}{3}+\frac{a^2}{2}+a $$

a=1を代入すれば通常の調和数 \( H_{5} \) の定義そのものです。

(%i19) %,a:1;

$$ \tag{%o19} \frac{137}{60} $$

 

This is a test.
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