Maxima で綴る数学の旅

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-Maxima入門- 調和数、ハーモニックナンバー、オイラーの定義

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かもめが飛んだ!

 

 

前回、調和数をsum()やsimplify_sum()の例として取り上げました。そしてオイラー積分による定義が確かに通常の定義と一致することを計算してみました。

 

あのオイラーの定義からすると当然、nの定義域を正の実数に広げることができます。

 

(%i1) load(simplify_sum)$

 

(%i2) f1:integrate((1-x^n)/(1-x),x,0,1);

 

$$ \tag{%o2}  \int_{0}^{1}{\frac{1-x^{n}}{1-x}\;dx} $$

この定義で\( n=\frac{1}{2} \)と置くと、

(%i3) f1,n=1/2;

 

$$ \tag{%o3}  \int_{0}^{1}{\frac{1-\sqrt{x}}{1-x}\;dx} $$

 

この定積分maximaは計算することができます。名詞形である直前の式を動詞形として計算させるには、下記のように入力します。

(%i4) %,nouns;

 

$$ \tag{%o4}  2-2\,\log 2 $$

 

今度は\( n=\frac{1}{3} \)と置くと、

(%i5) f1,n=1/3;

 

$$ \tag{%o5}  \int_{0}^{1}{\frac{1-x^{\frac{1}{3}}}{1-x}\;dx} $$

同様に計算を実行させます。

(%i6) %,nouns;

 

$$ \tag{%o6}  -\frac{3\,\log 3}{2}-\frac{\pi}{2\,\sqrt{3}}+3 $$

 

実はsimplify_sumパッケージで定義されている調和級数では引数に正の数を与えることができます。

(%i7) 'harmonic_number(1/2)=harmonic_number(1/2);

 

$$ \tag{%o7}  H_{\frac{1}{2}}=2-2\,\log 2 $$

(%i8) 'harmonic_number(1/3)=harmonic_number(1/3);

 

$$ \tag{%o8}  H_{\frac{1}{3}}=-\frac{3\,\log 3}{2}-\frac{\pi}{2\,\sqrt{3}}+3 $$