Maxima で綴る数学の旅

紙と鉛筆の代わりに、数式処理システムMaxima / Macsyma を使って、数学を楽しみましょう

-Maxima入門- 変数の使い方

Maximaでは普通に変数が使えます。特に使用前に宣言する必要はありません。いきなり使い始めることができます。

 

変数への値の代入は:(コロン)を使います。

(%i1) x:4235;

$$ \tag{%o1}  4235 $$

 

変数xの値(4235ですね)を素因数分解します。

(%i2) factor(x);

$$ \tag{%o2}  5\,7\,11^2 $$

 

変数xの値を二乗します。

(%i3) x^2;

$$ \tag{%o3}  17935225 $$

 

変数xの値を88で割ってみます。

(%i4) x/88;

$$ \tag{%o4}  \frac{385}{8} $$

 

変数xの値の平方根を計算します。

(%i5) sqrt(x);

$$ \tag{%o5}  11\,\sqrt{35} $$

 

%はシステムが定義している変数で、システムが値を設定します。値は直前の出力(11*sqrt(35))です。ここではその二乗を計算してみます。

(%i6) %^2;

$$ \tag{%o6}  4235 $$

 

display2dはシステムが定義している変数で、値はユーザが設定出来ます。その値に従ってMaximaの数式出力モードが変化します。値をfalseに設定すると、(%o8)の様に一行に収まる形で出力されます。

(%i7) display2d:false;

(%o7) false

(%i8) %o5;

(%o8) 11*sqrt(35)

 

値をtrueに設定すると、いわゆるアスキーアートで出力されます。分数、積分微分、総和など、なかなか見応えがあります。 はてなでは等幅フォントが指定出来ないようですので、ここは省略。

(%i9) display2d:true;

(%o9)                                true

imaximaを使っている人は、値をimaximaに設定すると、latexによるレンダリング出力になります。

(%i11) display2d:imaxima;

$$ \tag{%o11}  \mathrm{imaxima} $$

 

下記の式でthetaはユーザが勝手に使っている変数です。値はまだ設定されていません。値が設定されていない変数はそのまま表示されます。

(%i12) sin(theta)^2-cos(theta)^2;

$$ \tag{%o12}  \sin ^2\vartheta-\cos ^2\vartheta $$

 

カンマ(,)の後に値の設定をかくと、その値がカンマの前の式の評価に使われます。下記の場合、直前の式を \( \vartheta=\frac{\pi}{3} \) として評価します。この値の設定はこの式の中だけで有効です。

(%i13) %,theta:%pi/3;

 

$$ \tag{%o13}  \frac{1}{2} $$