Maxima で綴る数学の旅

紙と鉛筆の代わりに、数式処理システムMaxima / Macsyma を使って、数学を楽しみましょう

数学

-数学- 可解な方程式を冪根で解く-5次方程式に向けて-

5次方程式をこのアルゴリズムで解く試みを始めています。例題としては \(x^5-5\,x+12\) を取り上げます。この方程式は文献4: 文献 4 大迎「可解な5次方程式について」学位論文、兵庫教育大学大学院 のp74, 4.3 可解な5次方程式の解法例1の例2として取り…

-数学- 可解な方程式を冪根で解く -4次以下の多項式の根を求める汎用プログラムのリリース-

2次以上4次以下の1変数多項式の根を求める汎用プログラムをリリースします。このプログラムは4つのファイルから構成されています。 SolveSolvable2.macこのファイルを読み込むと、他の3つのファイルも読み込みます。そしてプログラムのエントリーポイントと…

-数学- 可解な方程式を冪根で解く -4次までの多項式用の汎用プログラムの実行例-

ようやく、かなりマシなバージョンを作ることができたので、一度リリースすることにしました。今回はどんな感じで実行できるのか、お見せします。なお、今回リリースするプログラムは4次までの多項式の根を方程式のガロア理論に従って計算します。 ファイル…

-数学- 可解な方程式を冪根で解く(8) 解を求める

不思議なノート2 これまでの計算で4次多項式\( x^4+2\,x^3+3\,x^2+4\,x+5 \)の根を求めるための全ての準備が終わりました。4つの解はVの多項式solV[1](V)〜solV[4](V)としては求まっていました。そして前回の記事で\(V\)を冪根と1の冪乗根による値を得たの…

-数学- 可解な方程式を冪根で解く(7) 群の縮小と体の拡大 第3、4ステップ〜そして最小分解体

不思議なノート 今回、第3ステップと第4ステップを実行し、Vの最小多項式の最小分解体まで拡大します。体の拡大とはリストCに冪根(と1の冪根)を付け加えることでした。この結果、Vの最小多項式を1次式に分解することができるのに必要な冪根が全て計算…

-数学- 可解な方程式を冪根で解く(6) 群の縮小と体の拡大 第2ステップ

例題の多項式\( x^4+2\,x^3+3\,x^2+4\,x+5 \)の組成列は、 \(NSGS=\left[ Group\left \{1 , 2 , 3 , 4 , 5 , 6 , 7 , 8 , 9 , 10 , 11 , 12 , 13 , 14 , 15 , 16 , 17 , 18 , 19 , 20 , 21 , 22 , 23 , 24 \right \} , Group\left \{1 , 4 , 5 , 8 , 9 , 12 …

-数学- 可解な方程式を冪根で解く(5) 群の縮小、体の拡大、拡大体での原始元の最小多項式

スターバックス 文献3の12「体の拡大とg(x)の次数低減」まで来ました。ここで、群の縮小、体の拡大、拡大体の原始元の最小多項式を求めることは、計算上は何を意味するのでしょうか。 正規部分群\(G_{k}\)にガロア対応する体を\(F_{k}\)、 \(F_{k}\)係数のV…

-数学- 可解な方程式を冪根で解く(4) 有限拡大と多項式の次数低減

かき揚げ 文献3の"11. f(x)の分解体に属する元の表記と積・商の計算"の記載の意味を考えてみました。 ちょっとだけ、既約多項式による剰余環と拡大体の同型について復習しましょう。 改訂新版 ガロア理論 作者: 関口次郎 出版社/メーカー: 丸善出版 発売日: 2…

-数学- 可解な方程式を冪根で解く(3) 正規部分群の計算、組成列の計算、可解性判定

チョコレート いよいよガロア群に対して、正規部分群を計算し、それを繰り返して組成列を計算します。 その準備として有限群をデータ構造(defstruct)として定義します。 defstruct(FiniteGroup(permutation_rep=false, degree=0, index_element_set=false, m…

-数学- 可解な方程式を冪根で解く(2) ガロア群の計算

British Airways lounge at BRU まずはガロア群の計算です。 ここからGG6.macをダウンロードすることが出来ます。 GG6.mac - Google ドライブ (%i1) load("GG6.mac");$$ \tag{%o0} \verb|GG6.mac| $$ 例題の多項式を変数p1に代入します。(%i1) p1:x^4+2*x^3+…

-数学- 可解な方程式を冪根で解く(1) 方程式を解く計算の流れ

レストランのバックヤード これから数回にわたり、概ね、 文献3 「退職後は素人数学者」可解な代数方程式のガロア理論に基づいた解法 の流れに従い、方程式を冪根で解く計算をMaximaで示していきます。例題として4次多項式\( x^4+2\,x^3+3\,x^2+4\,x+5 \)を…

-数学- 可解な方程式を冪根で解く(Solve any solvable polynomials with radicals)

のどかなレストラン これから数回にわたり、可解な多項式を冪根で解くアルゴリズムのMaximaでの実装について紹介します。 「ガロアの時代 ガロアの数学〈第2部〉数学篇 (シュプリンガー数学クラブ)」に掲載されているガロアの第一論文(例の決闘前夜まで修正…

-数学- 指標の計算

この記事では有限体\(F_p\)の乗法群\(F_p^{\times}\) の指標\(\chi : F_p^{\times}\to C^{\times}\)を定義しました。 一般的には有限群の上で指標を定義できます。有限群\(G\)上の指標とは、準同型\(\chi:G\to C^{\times}\)、\(C^{\times}\)は0と異なる複素…

-数学- 4で割ると1余る素数を2つの平方数の和に分解する方法 -ガウス整数の互除法-

橋本先生の本: 探検! 数の密林・数論の迷宮 作者: 橋本喜一朗 出版社/メーカー: 日本評論社 発売日: 2017/09/27 メディア: 単行本 この商品を含むブログを見る には明示的には載っていないのですが、math.stackexchange.comの関連質問記事: やそのほかの記…

-数学- 4で割ると1余る素数を2つの平方数の和に分解する方法 -指標とヤコビ和-

群論では、抽象的な群の要素を群の演算を保つように数字(複素数)に写像することがあり、この写像を指標と呼びます。指標の値は数字なので、解析的な道具(四則演算、微積、ゼータ関数の係数など)と組み合わせることで、群の性質を式に取り入れて計算した…

-数学- 4で割ると1余る素数を2つの平方数の和に分解する方法 - 互除法-

探検! 数の密林・数論の迷宮 作者: 橋本喜一朗 出版社/メーカー: 日本評論社 発売日: 2017/09/27 メディア: 単行本 この商品を含むブログを見る 今度は、4n+1型素数を二つの平方数の和に分割するのに、互除法を使ってみます。この方法は「数論の迷宮」p283を…

-数学- 4で割ると1余る素数を2つの平方数の和に分解する方法 -二項係数-

探検! 数の密林・数論の迷宮 作者: 橋本喜一朗 出版社/メーカー: 日本評論社 発売日: 2017/09/27 メディア: 単行本 この商品を含むブログを見る をお持ちの方はp281に記載されている定理13.10をご覧になってください。 定理13.10 \(p \equiv 1 \left(mod \,4…

-数学- 4で割ると1余る素数を2つの平方数の和に分解する方法 - 概説

最近この本を買って読んでいました。 探検! 数の密林・数論の迷宮 作者: 橋本喜一朗 出版社/メーカー: 日本評論社 発売日: 2017/09/27 メディア: 単行本 この商品を含むブログを見る p進数、ガロア群、連分数、楕円曲線などの進んだ数学について、教科書には…

-数学- ガロアの逆問題

ガロア理論の周辺の問題として、「ガロアの逆問題」と呼ばれる問題があります。与えられた有限群をガロア群としてもつ多項式をあれば求めよ、というような問題です。もう少しきちんと書くと以下のようになります。 ガロアの逆問題 有限群\(G\)が与えられた時…

-数学- 「ガロア群計算の体論的な意味」への補足

雪のヘルシンキ空港 F(V)が因数分解できる場合にはV(元の方程式の根の一次結合)の根の置換で得られるV1, V2, V3,,,の全てがVの最小多項式の解になるわけではありません。 Vの最小多項式の根となるV', V''...V'''について、それらを得るための根の置換が Q …

-数学- ガロア群の計算とSagemath, Pari/GP, GAP,,,

ガロア群の計算、というトピックで調べると多くの数式処理システムで専用のコマンドが実装されていることがわかります。Sage (Sagemath), Pari/GP, GAPなどは群論が実装されており、専用のコマンドでガロア群を計算出来るようです。 Sagemathを使って\( x^4-…

-数学- ガロア群計算の体論的な意味

これはパピヨンではないです。 今回行ったことを普通の体論で考えるとどうなるのでしょうか。 以下の2つを参考にしながら以下にまとめてみました。 ガロアの時代 ガロアの数学〈第2部〉数学篇 (シュプリンガー数学クラブ) 作者: 彌永昌吉 出版社/メーカー: …

-数学- 命題I, ガロア群の計算

命題Iでは与えられた方程式の解\(\alpha, \beta, \gamma\ldots\)がm個ある場合、根の置換の群で以下の2つの性質を持つものがあるとしています:(1)その群の置換で値の変わらない根の関数が有理的に表されること、(2)有理的に表さられる根の関数はこの群の置…

-数学- 補助定理III, ガロア群の計算

補助定理IIIでは、全ての根\(\alpha, \beta, \gamma\ldots\)が補助定理IIで導入したVの有理関数f(V)として表されることを述べています。また証明として実際に有理関数f(V)を構成する方法が述べられています。 補助定理IIで導入したVは\(\alpha, \beta, \gamm…

-数学- 補助定理IV, ガロア群の計算

[1]方程式のガロア群の求め方 – 五次元世界の冒険の順番に従い、先に補助定理IVの計算を行います。 補助定理IVでは、補助定理IIのVが満たす方程式の作り方を示し、Vの最小多項式を求める方法を示します。またVに現れる根の置換によって得られる値V1(=V), V2,…

-数学- 補助定理II, ガロア群の計算

補助定理IIでは、与えられた方程式の根\(\alpha, \beta, \gamma\ldots\)の一次結合\(V=A\,\alpha+B\,\beta+C\,\gamma+\cdots\)を作り、一次結合に現れる根の全ての置換でVの値が異なるようにすることが出来る、と述べています。 これ、深い意味があるようで…

-数学- ガロア群の計算の流れ

ガロアの時代 ガロアの数学 第二部 数学篇 (シュプリンガー数学クラブ) 作者: 彌永昌吉 出版社/メーカー: 丸善出版 発売日: 2012/06/05 メディア: 単行本(ソフトカバー) この商品を含むブログを見る この本の第3章にフランス語から著者が翻訳したガロアの…

-数学- ガロア群の計算、初めに

昔からガロア理論の本を読んで、不満に思うことがありました。それは、ガロア群の具体的な求め方です。方程式の係数だけが分かっていて、解は分からない前提の議論のはずなのですが、大抵の本では、 ガロア群の具体的な例は、方程式を解いてからそれらの解の…

-Maxima入門, 数学- n変数の基本対称式をn+1変数の対称式で表す

対称式を基本対称式の多項式で表す、というのはよくあることで、maximaでもそのような計算をするためのパッケージsymがあります。 symパッケージを使って対称式をMaximaで取り扱う方法については以前に以下の記事で書きました。 上記の記事の例でもそうなの…

-Maxima入門、数学- 多項式f(x)のmod p(x)での逆元

これから引続くいくつかの記事では主に1変数有理係数方程式を扱う予定です。 今回は二つの有理係数の多項式p(x)とf(x)が与えられた時、f(x)のmod p(x)での逆元g(x)を求めます。f(x)の逆元g(x)とは、f(x)*g(x)=1 (mod p(x))となるような有理係数の多項式g(x)…

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